「3000kmや3カ月毎の交換がベスト」は嘘?

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エンジンオイル交換の時期はメーカーが各車ごとに推奨時期を設定していて、ターボ付きの軽自動車では「5000kmまたは6ヶ月に1回」であることがほとんどです。しかし、一部のドライバーの中には、メーカーが推奨するサイクルでは「すぐに壊れる」とし、どんな車も「3000kmまたは3ヶ月に1回がベスト」だとすることがあるようです。

たしかに、エンジンオイルの劣化状態がより浅いうちに交換するのは、エンジンの性能維持の面で有利です。そのため、メーカー推奨値が「5000kmまたは6ヶ月に1回」のところ、それよりも早い「3000kmまたは3ヶ月に1回」のサイクルでメーカーの指定するエンジンオイルに交換をすることは無駄ではありません。

しかし、メーカー推奨サイクルが6カ月のところ、3カ月、つまり半分のサイクルでエンジンオイル交換を実施すれば、エンジンオイル交換にかかるコストは倍かかることになります。倍のコストをかけたことでエンジンの耐久性が倍になるかというと、そこまでの効果は期待しないほうがよいでしょう。

コストに見合う効果を期待せず、「この車のエンジンの寿命を1日でも長くするためならなんでも試したい」のであれば、メーカー推奨サイクルよりもはるかに短いサイクルで交換するのはベストな選択肢のひとつかもしれません。

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エンジンの寿命を伸ばすには何が効果的?

エンジン内部のイメージ
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エンジンオイルはエンジンが動作中にエンジン内を循環して各部の保護などを行いますが、エンジンが停止すると循環も止まります。しばらくは各部に付着したオイルが残っているものの、時間とともにどんどんエンジン下部にあるオイルパンへ落ちていきますので、最終的にはオイルがついていない、金属むき出しの状態となります。

その状態でエンジンを始動させることはドライスタートやコールドスタートと呼ばれ、金属同士が直接擦れ合い、摩耗を促進します。これがもっともエンジンの寿命を縮める行為となるため、エンジンの寿命を縮めたくないのであれば、次回の乗車時にドライスタートやコールドスタートにならないよう、定期的にエンジンをかけてエンジンオイルを循環させることが効果的です。

ただし、1ヶ月程度でエンジンオイルが完全に落ち切るということは通常ならありませんので、帰省したときにしか乗らない、旅行に行くときしか乗らないという車でもなければ、ドライスタートやコールドスタートに対して神経質になる必要はないでしょう。

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