近年、車を一種の「ステータス」と考える人は少なくなっているのかもしれません。しかし依然として、世間話のなかで車に関する「自慢」や「コンプレックス」が垣間見えることもあるでしょう。
友人や同僚など、他の人の車を見て、思わず「いいなぁ」と羨んでしまう瞬間もあるかと思います。今回は車のオーナーの方々に、「車に関して格差を感じる瞬間」について話を聞きました。
そのシート、手動じゃないと動かないんだ……
「車の格差」としてまず思い浮かぶのは、「車種間の装備や機能」かもしれません。高級車には当たり前についている快適装備が、大衆車には備わっていないなど、細々とした場面で差を感じてしまうものです。
「社会人になってはじめて付き合った彼女がいわゆるお嬢さんで、日頃から経済感覚の違いをヒシヒシ感じていました。車で一番ショックだったのは、はじめてのドライブデートで彼女が助手席に乗り込んだとき、シート左下のあたりを手探りしながら『あれ、これどこで動かすの?』と言われたことです。
どうやらそれまで、電動シートの車にしか乗ったことがなかったみたいなんです。はじめての手動シートに、『すごい、シャッと動くね!』とフォローしてくれましたが、なんとも情けない気持ちになりました」(30代男性)
電動でシートポジションを調節するパワーシートは、高級車を象徴する装備のひとつ。近年では装備車両も増えていますが、やはりスイッチだけでシートが動くと「高い車」と思ってしまいますよね。
しかし、人生でパワーシートつきの車にしか乗ったことがないというのも驚き。彼女の親御さんらの車遍歴が気になるところです。
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親からそんな高い車を!?『いいね』もたくさん…
社会人になってからは、「自分で稼いだお金で買える範囲のものを買う」というのが一般的であり、身の丈にあった範囲で自由に車を選ぶことができます。一方で、「車を親から買ってもらう場合」においては、自身にはどうしようもない差が顕著に表れることがあるようです。
「車が必須の地方に住んでいたので、就職や大学進学のお祝いに親から車を買ってもらう人が多かったのですが、それが一番人生で格差を感じる瞬間でした。
私自身は兄のお下がりのN-BOXをもらって、周りの友達は100万円くらいの中古車が多くて、新車の軽でも『新車いいなぁ』みたいな感じでした。
でも、インスタを見ていたら、同じ小学校だった同級生がレクサスのSUVを買ってもらっていて、なにか心が冷たくなっていくのを感じましたね。写真もたくさん『いいね』を集めていて、『今度乗せてよ』的な返信もチラホラあって。
大学まで行かせてくれた親には感謝しかありませんが、それとはまた関係なく、なんだかバカらしい気分になるというか。そりゃ『親ガチャ』って言葉も流行るよなぁと」(20代男性)
高級車を手に入れたという事実はもちろんですが、それ以上に「親に買ってもらった車で周囲から賞賛されている状況」について、理不尽に感じてしまう気持ちもわかります。ただその「チヤホヤ」も、SNS上での表面的なものに過ぎないかもしれず、高い車を手に入れることが必ずしも人生を好転させるとは限りません。
SNSが普及し、さまざまな他人の暮らしが目に入るようになりましたが、そのぶん「見なければよかった……」という投稿も増えているのかもしれませんね。