私は常日頃から実釣を通じて、釣り場でもかんたんに素早く結べて、かつ強度に優れたノットを求めていろいろと研究し、実戦テストをしています。
(結ぶのにやたらと手間や時間が掛かったり、何度も練習が必要だったり、面倒なのが個人的に嫌いなため…ですが(笑))

釣り初心者さんにとってライン同士の結びや、ルアーやスナップへの結びにさまざまな結び方があり、「いったいどの結び方がよいのか?」と頭を悩ませているのではないでしょうか。
とくに現在主流となっているPEラインを使う場合は、耐摩耗性に劣るPEラインの弱点を補うために、PEラインの先端にナイロンリーダーやフロロカーボンリーダーを接続し、ラインシステムを組まなければならないというのが基本。その際、結束強度の低下を起こしにくい「摩擦系ノット」と呼ばれる、PEラインをリーダーに巻きつけ、強く締め込むことで生じる摩擦によって接続する方法を用いるのが一般的です(例.FGノット)。

ただ、この「摩擦系ノット」というのが釣り初心者さんにとってはなかなか難しく、安定した結束強度で結ぶのに苦労する代物…。
そこで今回は、どうしても摩擦系ノットを使いたい方向けに比較的かんたんで難易度の低い「自己流摩擦系ノット」と、オマケとして同様にかんたんで(しかしなぜかあまり知られていない…)、スナップなどに接続するのに最適な「リンデマンノット」の2つをご紹介したいと思います。

自信をもってご紹介したい自己流摩擦系ノットは
こんなに強いんです!

春夏秋冬、1年を通しての釣りのなかで5㎏オーバーの大物を含めたさまざまな魚を相手に、実戦のなかで生み出した自己流の結び方。現場でかんたんに素早く組めて強度も十分過ぎるほどあり、既存の摩擦系ノットの1つ「8の字グルグルノット」の簡易変形版というべき摩擦系ノットです。

肝心な実釣での強度も折り紙付きで、メータークラスのソウギョと10分近くかなり強引なやり取りをしても、それぞれ結束部分から破断することはありませんでした。
(メインラインが4本撚りPEライン1.5号、リーダーがナイロン12lbの組み合わせのラインシステム)

その強さは、根掛かりした場合でも引っ張ると大抵フックが伸びるかフックが折れる、もしくはスナップが変形破断するほど。仮にフックやスナップが変形破断しなくとも、メインラインとリーダーの結束部分が切れる前にリーダーとスナップとの結束部分が切れます。それくらい強度があるノットなのです。


しっかりとした強度がある結びであるため、大抵フックが伸びるかスナップが変形します

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自己流摩擦系ノット「イスカリオテノット」の結び方

実釣での強度に優れ、短時間で素早く結べるこの自己流摩擦系ノットを「イスカリオテノット」と呼んでいます。その結び方の手順は以下の通りです。ぜひ試してみてください。
ちなみに、端糸は最後の締め込み作業を考えて、ともに長めに取った方が吉です。

結びの手順

(写真の赤い糸がメインライン、白い糸がリーダーです)

手順①: リーダーで二重の輪を作り、その輪の中にリーダーの端を通し、結び目を作ります。

手順②: リーダーで作った二重の結び目の中にメインラインを通し、リーダーに13回巻きつけて折り返し、再び二重の結び目の中に通します。
(メインラインをリーダーに13回巻きつけて締め込むので、13を意味する「イスカリオテ」とネーミングしました)

※(写真)紐では13回巻くことはできないので約半分の6回巻いてあります

この時点ではまだ各ノットは完全には締めこまないこと。

手順③: リーダーで作った二重の結び目をある程度締めこんだあと、次にリーダーに巻きつけたメインライン部分を軽く締め込みます。互いの結び目がくっついたら、それぞれを渾身の力で締め込んでください。各結び目をツバや水分で濡らすのを忘れずに。

手順④: メインラインの端糸をリーダーに沿わせ、ハーフヒッチを5~7回施します。このときも1回1回渾身の力を込めて締め込むこと。
なおハーフヒッチの方向は同方向でも、互い違いにしても強度に差はないのでご自身がやりやすい方を選択してください。

手順⑤: 余ったメインラインの端糸をカットして完成! メインライン(PEライン)の端をライターで炙っておけば完璧です。

手順はコレだけ!
根掛かりや大型魚とのやり取りで、ノットから破断したことは今のところ一度もありません。