サビキ仕掛といえば…ビギナーでも使いやすく、それほどテクニックがなくても魚をたくさん釣ることができる。そんなイメージをお持ちの方も多いだろう。だが、ひと口にサビキと言っても実はイロイロあって、ブリやヒラメといった大型ターゲットのみに照準を合わせた「手練仕様」の「落し込み」サビキ(落し込み釣り用の仕掛)というのも存在するのだ。

今回はそんなエクストリームスペックのサビキのなかから、喰わせサビキシリーズの「落し込みスペシャル つくつくベイトパープル 全長ショート 4本鈎」を紹介しよう。詳しい解説はハヤブサの開発担当・中川氏にお願いした。

最初はサビキでベイトを掛けて、それをブリやヒラメに食わせる!?
それが「落し込み釣り」だ!



最初はアジやイワシなどのベイトをサビキで掛け、それをエサにブリやヒラメなどの大物を食わせる「落し込みスペシャル つくつくベイトパープル」(品番SS436)。2mのショート仕様なので、タイラバロッドやジギングロッドでも使いやすい

まず気になったのはハリのサイズ。ブリやヒラメと大型魚をねらう割には…小さすぎやしないだろうか? 中川さんがすかさず答えてくれた。
「ハリのサイズはベイトとなるアジやイワシの口の大きさに合わせてあります。弊社でいうところの強靱イサキ鈎(ばり)を採用し、太軸化&胴打ちを施すことで大型魚のパワーでも折れにくい、曲がりにくい仕様になっています」。ん? アジやイワシ? コレ…大型魚を釣るためのサビキですよね? 何か話が噛み合っていないような……。

「このサビキは使い方が『2段階』あって、1段階目として擬餌を施したハリにアジやイワシを食い付かせる。そして2段階目として、それらをベイトにして大型魚をねらうというものです。だからハリはベイトと大型魚の両方が釣れるサイズ&強度でなければならず、強靱イサキ鈎のように小さくて強いものが必要になるんです」と中川さん。

なるほど! いわゆるビギナー向けのサビキ仕掛とは使い方がちょっと? 根本的に? いずれにしても違うことか!
つまり…、最初はサビキでベイトとなるアジやイワシを釣る…というよりハリに掛け、水中で泳がせ釣りの仕掛を作り出してしまう。そして、そのベイトがついた状態のまま底まで沈めて、はじめて大型魚がねらえるようになるわけだ。ひとつの仕掛でふたつの釣りが楽しめるなんて、コレはかなり面白い!


普通の泳がせ釣りは船上で生きエサを付けてから沈めるという、ある種の手間が発生する。しかし、落し込み釣りは水中でエサを掛け、それをそのままボトムまで沈めてねらうという一連の流れがスムーズなので、手返しよく大物をねらうことができるのだ

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サビキをフォールさせながらベイトを掛けていく
「パラシュート仕様」

さらに詳しい使い方を中川さんが説明してくれた。「サビキ仕掛ではありますが、エサカゴは使わずにオモリを装着するだけになります。というのも基本的には船で使うものなので、船長さんが魚探を駆使してベイトが固まっている場所まで連れてってくれるので、エサカゴ&コマセを使ってベイトを集める必要がないんです」。
なるほど、エサカゴ&コマセが必要ないのはラクでいいですね。ちなみに、サビキでベイトを誘うときは、アクションを付けたりするのだろうか?

「これは『パラシュート仕様』と呼ばれる仕掛で、ベイトが固まっているタナにフォールさせる過程でベイトにサビキを食わせ、ハリ掛かりを確認できたらボトムまで沈めて大型魚が食ってくるのを待つという仕組みです。フォール中にベイトが食ってこない場合は再び巻き上げてからフォールという一連の動作を繰り返すので、電動リールを使った方が手返しはよくなります。また、仕掛全長も2mと比較的短いので、タイラバ用やジギング用のショートロッドでもさばきやすくなっています」と、タックルセレクトに至るまで説明してくれた中川さん。
アクションさせて誘うのもいいが、フォールで反射的に食わせてしまう方が手返しのよさにもつながるわけか。


ヒラメはベイトを丸飲みして食べるだけに、ハリスが鋭い歯で擦れて傷付いてしまうこともしばしば。しかし、「落し込みスペシャル つくつくベイトパープル」のハリスはフロロカーボン8号~18号と太いので、たとえ傷付いてもかんたんにはラインブレイクしにくい