オーシャナのCEO・河本雄太が理事を務め、鹿児島県大島郡瀬戸内町にある障がい者と健常者が共に安心・安全に楽しめるマリンスポーツ総合施設「ゼログラヴィティ」を運営する一般社団法人ゼログラヴィティ(以下、ゼログラヴィティ)と、長崎県壱岐市にあるイルカと友達になれる唯一無二の施設「壱岐イルカパーク&リゾート」を運営するIKI PARK MANAGEMENT株式会社が、昨年12月にSDGs実現を目指すパートナーシップを締結した。そして今夏、誰もが当たり前に楽しめるイルカふれあいリゾートを目指す第一弾として、壱岐イルカパーク&リゾートにおいて、障がい者向け「イルカふれあいユニバーサルプログラム」の提供を開始する。

「イルカふれあいユニバーサルプログラム」とは

壱岐イルカパーク&リゾートでは、イルカたちを間近で観察したり、イルカが生活する入江に入水しふれあうことができる「イルカふれあいプログラム」を通常提供している。そのプログラムを障がい者も楽しめる内容にしたものが「障がい者ユニバーサルプログラム」だ。

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「イルカふれあいユニバーサルプログラム」導入に至った背景

一般的に、動物とのふれあいプログラムは、障がい者と健常者向けには違うプログラム内容で構成されることが多く、予約プロセスも複雑なことが多いというのが現状。なぜ壱岐イルカパーク&リゾートの代表である高田佳岳氏は、導入に踏み切ったのだろうか。

「私は壱岐イルカパーク&リゾートに携わって丸3年が経ちました。過去に私の友人のお子様が遊びに来てくださったことがありました。お子様は目が見えづらく耳も聞こえづらく、引っ込み思案な印象だったのですが、イルカを間近に見て、楽しんだあと、スタッフにも心を開き話しかけてくれるようになったんです。

イルカは人間に対してセラピー効果があると言われていますが、子どもたちをイルカに会わせることでそういった良い影響があるのではないかと改めて感じました。私たちが、バリアフリー化しないことでその貴重な機会を摘み取ってしまっているかもしれないと思ったんです。

施設をユニバーサルデザインにしたいという想いを抱える中で、別の日にも知人から、『壱岐イルカパーク&リゾートはイルカのプロであり介護のプロになる必要はない。障がい者に対して、立ち入り禁止エリアを設けるのではなく、健常者と同じように自由に利用させてもらえれば、障がい者自身で判断して利用することができるから』と言われたことも印象に残っています。

こういった出来事が昨年立て続けにあり、ユニバーサルデザインを実現したいという想いがより一層強くなり、ゼログラヴィティ理事の河本さんに相談。そこからユニバーサルプログラムが本格的に始動しました」。

壱岐イルカパーク&リゾートおよびゼログラヴィティが目指すのは「誰にとっても海での遊びや学びが日常となる」世界。この実現に向けた第一歩が今回の「イルカふれあいユニバーサルプログラム」導入だ。障がいを持つ方も通常のプログラムと同じものをいつでも体験できるよう、受け入れ側も「特別なもの」とは捉えないプログラムの提供に向け、協力体制を築いてきたのだ。