エアブレーキのデメリット

ブレーキフィーリングが油圧ブレーキとは異なる

エアブレーキのデメリットの1つはブレーキフィーリングが油圧ブレーキと異なることです。その理由はエアブレーキの制動力の高さにあります。

エアブレーキの効きは油圧ブレーキより高いとすでに紹介しましたが、それゆえにブレーキペダルを踏む時のコントロールが難しくなってしまうのです。油圧ブレーキの感覚でエアブレーキを踏むとまるで急ブレーキがかかったようになるのは、想像するに容易でしょう。

中型自動車免許を取得するべく自動車学校へ通い始めて初めてエアブレーキ車両を運転した時にエアブレーキの感覚に驚いたり、慣れるのに時間がかかったなどはよく聞く話です。

バタ踏みするとブレーキ性能が低下する

2つ目のデメリットはばた踏み(ブレーキペダルを踏んだり緩めたりを何度も繰り返すこと)するとブレーキ性能が低下することです。短時間で圧縮空気が消費されることでマスターシリンダーを押す力が弱くなり、ブレーキ本来の性能を発揮させるのに必要な油圧が発生しなくなります。

例えば、下り坂でブレーキペダルの踏み戻しを頻繁に繰り返すと、気がついたら圧縮空気が激減して制動力が下がってしまったというケースも発生しかねません。国土交通省は2013年にエアブレーキ搭載車両でのブレーキバタ踏みに関する注意喚起をしています。

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エアブレーキ搭載車の運転方法(ブレーキの踏み方)

©R_Yosha/stock.adobe.com

エアブレーキは油圧ブレーキと比べて、ブレーキ時のペダルフィーリングに違いがあると少し触れました。ここでは、エアブレーキ搭載車の運転方法、特にブレーキの踏み方(かけ方)を考えます。

何回かに合わせてブレーキペダルを踏む

ブレーキペダルを踏むにあたり、段数をできるだけ増やすと良いでしょう。例えば、ブレーキペダルを踏んでいない状態を0、フルブレーキングした時の踏み具合を10とすると、1、2、3…といった踏み具合のバリエーションを増やすという感じです。

エンジンブレーキと組み合わせる

圧縮空気不足やヴェーパーロックによる制動力不足に陥らないために、減速時には必要に応じてエンジンブレーキとブレーキペダルによる制動力を組み合わせることが不可欠です。速度が出やすくてなおかつカーブが頻繁に訪れる下り坂の道路では必ず併用しましょう。

また、中型自動車やそれよりも大きいサイズの自動車には排気ガスを利用した制動システムである排気ブレーキもありますので、これも併せて使い分けましょう。

エアブレーキが搭載されているのは中型・大型のトラックやバスであり、働くクルマの専用装備品と言っても間違いではないでしょう。

今回紹介したエアブレーキをはじめ、はたらくクルマには日常使いの車にはない個性的な装備があることがわかります。

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