効率が良いターボチャージャー

画像中央の巻き貝のような部分がターボチャージャー
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ターボチャージャーはエンジンから排出されるガス(排気ガス)の流速をエネルギーとして利用しています。

排気ガスをタービンと呼ばれる風車のような部品で受け、タービンが回って得られた回転エネルギーをコンプレッサーに伝えているのです。

不要になった排気ガスがエネルギーの源となるため、エンジンを効率良くパワーアップすることが可能になります。

しかし、エンジンの回転数が低いときは排気ガスの流速が十分でなく、ターボチャージャーは過給機としての力をあまり発揮できません。

回転数が高まり流速が速くなるにつれて徐々に力が発揮されますが、ドライバーにとってはアクセルを踏んでもはじめのうちはパワーがなく、後からパワーが湧いてくる、タイムラグがあるように感じてしまうものです。これは「ターボラグ」と呼ばれています。

近年の車ではこうしたターボラグは抑えられ、低回転からでもしっかりと力を発揮するようになりました。昔のターボチャージャー搭載車ではこのターボラグを感じることが多いのですが、それも「味」のひとつとして好むファンは少なくありません。

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反応が良いスーパーチャージャー

スーパーチャージャーを搭載したV8エンジン
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スーパーチャージャーはエンジン内部にある「クランクシャフト」が回転する力を利用。クランクシャフトの回転をベルトなどを介してコンプレッサーに伝えています。

クランクシャフトの回転数がエンジンの回転数となるため、スーパーチャージャーはエンジンが回ってさえいれば常に過給を行なっているというものです。

そのため、低回転からでも力を発揮し、またエンジンの回転数に連動するため前述のターボチャージャーのようなターボラグがありません。

いっぽうで、クランクシャフトの回転エネルギーを利用しているため、不要になった排気のエネルギーを利用するターボチャージャーと比べると効率は劣ります。

このほかにも作動音が大きいということやコストがかかるということなどから、スーパーチャージャーよりもターボーチャージャーを採用する車種が多数です。