セルモーターが回らない場合に考えられる原因3つ
セルモーターの故障
当然、セルモーターが故障すれば動きません。一口に故障といっても、故障の種類はさまざまです。最も多い原因に、ブラシの摩耗があります。ブラシとは、モーターであるコイル部分に電気を流すためにあるパーツです。
ブラシがコイルに接触することで、電気を流します。そして振動や回転によって摩耗し、コイルと接触しづらくなります。これにより、コイル部分に電気が流れずセルモーターが動かないといったトラブルが発生するのです。
ブラシの摩耗は故障というより摩耗や劣化に該当します。動かなくなるという意味合いで故障の項目にて説明していますが、長年セルモーターを使っていればブラシの摩耗以外の原因で故障することも当然あります。
セルモーターは永久的に使えるパーツではありません。長年使い続けていれば劣化や摩耗などにより不具合が発生します。そのため、完全に壊れる前に交換するようにしましょう。
バッテリー上がり
セルモーターが動かなくなる一番の原因がバッテリー上がりです。仕組みの項目で触れたように、セルモーターは電気を動力源としています。そのため、電気が供給されなければ動きません。
セルモーターはLEDランプなどと違い、多くの電力を必要とする装置です。そのため、バッテリーの劣化で電圧が下がりかけている場合でも始動性が悪くなります。
この場合、セルモーター自体に問題はないので、バッテリーを充電もしくは交換すれば解決します。バッテリー上がりは真冬や真夏などに起こりやすいトラブルです。
そのため、何年もバッテリーを変えてないなと感じているのであれば、春や秋など季節の変わり目にあらかじめ交換するようにしておきましょう。
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イグニッションスイッチの故障
イグニッションスイッチの故障でも、セルモーターが動かなくなります。イグニッションスイッチとは、エンジンをかけるためのスイッチです。
現在の車はプッシュスタートがメインになりましたよね。さあ車で出かけようと思い、車に乗り込みエンジンをかけるとき、ハンドルの右が左に設置されたエンジンスタートボタンを押すと思います。
そのなかに入っているスイッチがイグニッションスイッチです。キーを差し込んで回すタイプにもイグニッションスイッチは搭載されています。
ボタンを押したりキーを回すことで、スイッチが入りバッテリーの電流をセルモーターに伝えます。そのためが接触不良や断線など、なんらかの理由でイグニッションスイッチがオンにならなければセルモーターは動けないのです。
年式の古い車や走行距離の多い車であれば、故障している可能性も十分に考えられます。自分自身で原因を突き止めるのは難しいので、整備工場で診断を受けるようにしましょう。
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エンジンがかからない場合に確かめるべきこととは?
セルモーターが動かなければエンジンはかかりません。しかし先ほどお伝えしたように、エンジンがかからない=セルモーターの故障というわけではありません。
エンジンがかからない場合、以下の3つの項目を確認しておくことで、なにが原因なのかをある程度予測することができます。
確認項目 | 考えられるトラブル原因 |
セルモーターが回っているけどエンジンがかからない | ガス欠、スパークプラグ、イグニッションコイルなどの故障 |
セルモーターが回らず、カチなどの音がする | バッテリー上がり、セルモーターの故障 |
シフトはPに入っているか?ハンドルロックはかかっていないか? | 始動条件を満たしていない |
①セルモーターが回っているか?
セルモーターが回っているのにエンジンがかからない場合、ガス欠やスパークプラグの故障などが考えられます。
セルモーターが回っているかを確認するには、始動時の音を聞くことが大切です。エンジンをかける際「キュルキュル」など、何かが高速で回っているような音がいつもしていると思います。これが、セルモーターの音です。
そのため、キュルキュルという音はするけどエンジンがかからない場合、セルモーター以外の原因が考えられます。しかし、セルモーターの回転が遅ければ、セルモーターが弱っている可能性も十分にあります。
セルモーターが回っている音は聞こえるけどエンジンがかからない場合、ロードサービスなどで整備工場へレッカー搬送してもらいましょう。
②「カチ」などの音があるのか?
スタートボタンを押して「カチ」などの音が出ている場合、セルモーターの故障も考えられますが、バッテリー上がりの可能性が高いです。カチッという音しか出ていないということは、セルモーターを動かせていないということです。
つまり、セルモーターを動かすだけの電気が伝わっていないと考えられます。バッテリーの電圧が下がり、バッテリー上がりを起こした車ではセルモーターを動かす力はありません。
先ほどもお伝えしましたが、セルモーターを動かすためにはたくさんの電気が必要です。そのため、スタートボタンを押しているのにセルモーターが回らないことが分かれば、まずバッテリー上がりを疑いましょう。
しかし、セルモーターが回っていないからといって必ずしもバッテリー上がりというわけではなく、あくまでも可能性の一つであることは覚えておいてください。
セルモーター自体の故障もしくはセルモーター内の電気回路が故障している、バッテリーとセルモーター間の配線が断線している、ヒューズが飛んでいるなどの可能性もゼロではないのです。
もしバッテリー上がりだった場合、他の車からジャンピングスタートして一時的にエンジンをかけることもできます。
③エンジン始動の条件に当てはまっているのか?
車のエンジン始動の条件に当てはまっていない場合でも、エンジンをかけることができません。例えば、シフトレバーが「P」に入っていない、ハンドルロックがかかっている、MT車であればクラッチペダルを踏んでいないなどです。
意外と見落としがちですが、基本的な操作ミスでエンジンがかからないことも少なくありません。いつも無意識でしている行動だからこそ、トラブルになった際は基本的なことを確認するようにしましょう。