Netflix映画『シティーハンター』で新Ver.がED曲に　TM NETWORKが「Get Wild」を語る

　Netflixで独占配信中の鈴木亮平主演映画『シティーハンター』のエンディングテーマ「Get Wild Continual」を担当しているTM NETWORK（木根尚登、宇都宮隆、小室哲哉）のオフィシャルコメントが到着した。

参考：森田望智、『シティーハンター』香役はアニメ版の伊倉一恵も意識　新場面写真も公開

　単行本の累計発行部数が5000万部を突破する北条司の人気コミックを令和の日本で初めて実写化した本作。物語の主人公・冴羽獠は、東京・新宿を拠点にし、裏社会での様々なトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー（始末屋）。無類の美女好きで、美女に出会うとタガが外れてしまうが、いざ依頼を受ければ、並み外れた銃の腕と身体能力、そして冷静沈着な頭脳で、仕事を遂行する。そんなクールでおバカでもっこりの冴羽獠を鈴木が演じるほか、ヒロイン“槇村香”役を森田、獠の相棒である槇村秀幸役を安藤政信、獠とは腐れ縁の麗しき刑事・野上冴子役を木村文乃がそれぞれ演じている。

　作品を観た感想について、木根尚登は『「おぉ～っ！」となったぐらい面白かったですね。僕はNetflixでたくさん韓国の映画やドラマを見てきていて、特にアクションものや復讐劇が好きなんです。銃撃戦があるものも好きなんですよね。この『シティーハンター』はそれらに負けていないぞ、すごいぞと思いながら見ました。全体的に素晴らしいアクション映画になっていると思います」と語る。宇都宮隆は「まずは鈴木亮平くんが素晴らしいなと思いました。アクションにしろ、もっこりにしろ（笑）、冴羽獠そのものじゃないのかっていうぐらいですよね」と鈴木の演技を絶賛。小室哲哉は「Netflix作品ということで、家で気軽に観るのにちょうどいいなと思いましたね。この作品は全体的に、主人公の冴羽獠がどのシーンにおいてもしっかりと見えるようになっている。獠を無理に探さなくてもすぐに見つけられるようなアングルだと感じました。よく考えられていますよね」と感想を述べた。

　『シティーハンター』が日本で実写化されると聞いたときどう思ったかと聞かれた宇都宮は、「TVアニメ『シティーハンター』が始まるときに僕たちの『Get Wild』を使ってもらえることになったときはすごくうれしかったんですよね。それから1年、2年と経ちTMも人気が出て、なかなかアニメを見る余裕がなくて。でも原作の漫画は読める限り読んでいたんです。すごく詳しいわけではないけれど、フランスで作られた実写映画も楽しんだし、そしてNetflixでまた作られるということで再び話題になって。今のTM NETWORKにとってもすごいことが起きているなという感じです。今はツアーの最中なのですが、Netflix『シティーハンター』の配信とまたタイミングが重なるというのもすごいことだなと思っていますね。香港の街で『Get Wild』のMVを撮ったことなんかも思い出しました」とこれまでの『シティーハンター』の思い出を述懐。

　TM NETWORKは今回、本作のエンディングのために、「Get Wild」の最新バージョンとなる「Get Wild Continual」を新録。どのようなコンセプトで作られた新曲なのか。小室は以下のように語る。

「Netflixさんからのリクエストが、“オリジナルのよさを残した最新の『Get Wild』”というものだったと思います。違わないんだけど新しいものを、というオーダーは難しかったですね。一番のポイントは、宇都宮（隆）くんが数十年ぶりに『Get Wild』を全部歌い直しているところです。さらに木根（尚登）さんのアコースティックギターが『Get Wild』では初めて入っていますし、アレンジの音も全部変えています。マニアックなところで言うと、オリジナルの『Get Wild』でドラムを叩いていた山木秀夫さんが、『Get Wild Continual』でも叩いてくれています。改めてミーティングをして、ドラムも「オリジナルの雰囲気を残しながらも新しいものを」という方向性でと確認して一緒に作りました。『Get Wild』はこれまでにいくつものバージョンを作っていますし、ライブをやるたびに違うアレンジを作っているんですが、30周年のときのライブ（「TM NETWORK 30th FINAL」）で、木根さんのアコースティックギターと僕のシンセでのアレンジが、僕たちも気に入ったしすごく評判もよかったんです。今回は、それをもとに新たなパターンを作ったという形ですね。ただし同じところは1ヵ所もありません。そのほかにも『あのときの雰囲気よかったよね』というものを引っ張ってきたり、オリジナルの音を少し使ったり。鈴木亮平さんがあんなに大変な思いをして冴羽獠に向き合ったのに、音楽だけ簡単に作っちゃダメだと思っていたんです。僕たちもすごく苦労をしよう、少しでも支えられるものにしようと。基準は鈴木亮平さんの頑張り度でしたね」

　今も昔も、『シティーハンター』にとってなくてはならい存在となった「Get Wild」。それについて小室は、「『シティーハンター』ファンの方たちからの期待にも応えたいと思っていましたね。作品のファンの方たちは世界中にいますから。その方たちに残念だと思われないようにしたいというのが一番でした。今回の『シティーハンター』の試写を見せていただいたとき、どこでかかるのか知らなかったんです。ここで来るのかなと思ったら違って、エンディングまでドキドキして。もともとTVアニメ『シティーハンター』で『Get Wild』を使ってくれたプロデューサーさんが、アニメのセリフに曲のイントロをかぶせるという新しい手法をやりたいということで、あのイントロは後から作って足したんですよね。だから今回もセリフにかぶってくるのかななんて思っていたんですが、最後まで見て、これはタイミングをすごく考えてくださったんだろうなと思いましたね」と思いを吐露した。

　エンディングについては、木根も「いつ流れるんだろう、本当に流れるのかなと思うぐらいなかなか出てこなかったのでちょっと不安にもなったんですが（笑）、流れたときは余計に感動しましたね。『来た！』って」と、どのタイミングで流れるかわからなかったと告白。

　続けて、新たにレコーディングした「Get Wild Continual」について、「前回のツアー中から制作が始まったこともあって、とにかく3人で作ろうというのがテーマでした。オリジナルの『Get Wild』はエレキギターがガンガンに鳴っていて、『Get Wild Continual』も鳴らしているんですが、オリジナルでやっていないことをやろうということになり、小室さんから『3人の個性を出したい。今回は木根さんのアコースティックギターを入れたいんだよね』と言われました。実は30周年のときのライブ（「TM NETWORK 30th FINAL」）で、『Get Wild』を僕のアコギと小室さんのシンセでやったことがあったんですよね。あの感じをベースに作ろうということで、今回も僕がアコギを弾かせてもらいましたが、すごく新鮮で楽しかったですね。僕以外のところで言うと、ボーカルの宇都宮くんは37年前の曲を久しぶりに新録するということで一体どうなるんだろうと思っていました。しかし彼はそんな心配を覆してくれましたね。むしろ若い頃に戻っているんじゃないかというぐらい若々しい声。メンバーとして、友達として。よかったなと思ったことでしたね」と語った木根。宇都宮も「前回のツアー中にレコーディングをしたので、歌いこなせるかちょっと心配ではありました。せっかく新録で作るなら、僕としては少し雰囲気を変えてみようかなと思って。オリジナルではBメロにハーモニーは入っていないんですが、今回はそれを入れてみたり。オリジナルとは違う印象にしたかったので、途中から木根のアコースティックギターを入れたりしています。とにかく間に合ってくれと思いながらレコーディングしたので、『シティーハンター』で流れてみなさんから反応をいただくのが楽しみです」とコメントした。

　また、宇都宮はこれまで数え切れないほど歌ってきた「Get Wild」への思いを聞かれると、「TM NETWORK初期の頃は、メンバーで僕がひとりプロモーションを担当していたので、よく地方に行っていたんです。確かアルバム『Self Control』のプロモーションで京都にいたときに、小室から『Get Wild』のデモ音源が送られてきて、『なんだこれは』と。今度はこう来るんだと思ったのを覚えています。『Get Wild』はプロモーションの間にレコーディングをしないといけなくて、なんとなくこんな感じでいいのかなと思いながらレコーディングした気がします。そのときのベストではあるんですけど、歌って生物（ナマモノ）なので、その時々で多少変わるんですよね。ライブもそうですし。こう思う感覚は歌手ならではかもしれません。あの当時は『Get Wild』がまさかこんなに愛される曲になるなんて全然思っていなかった。劇場アニメ『シティーハンター＜新宿プライベート・アイズ＞』でまた『Get Wild』が使われて、再び注目されるようになって。最近は『Get Wild退勤』なんて言葉も生まれて、おもしろいなぁと思ったり（笑）。そして今度はNetflix映画で『Get Wild』が流れることになりました。こういう展開は自分たちで作れることでもないですし、タイミングよくすべてが重なったなと思っています」と思いを述べた。