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臭いものにフタ!中国・武漢海鮮市場がひっそり移転「コロナ起源」が解明不可能に

アサ芸Biz

 新型コロナウイルス感染症との関連性があるとして、中国政府が湖北省武漢市の「華南海鮮卸売市場」を閉鎖したのは2020年1月1日のこと。その後、市場は塀で囲まれ、関係者以外の立ち入りを厳重に規制。ウイルスの起源と指摘される中、結局、4年を経過した現在も中国当局の調査協力が得られないことから、感染が世界的大流行に至った真相は謎に包まれたままだ。

 ところが、そんな「コロナの震源地」と指摘された海鮮卸売市場が、1年ほど前、旧市場から北東約15キロの武漢郊外にひっそりと移転、営業を再開していたと4月27日付の共同通信が伝えた。

 新市場の延べ床面積は旧市場の5倍超の28万4000平方メートルもあり、精肉店や鮮魚店をはじめ多くの飲食店が軒を連ねるというが、記事によれば《オオサンショウウオとみられる生き物が水槽でうごめき、冷凍ケースにはワニの尻尾が無造作に置かれていた》というから、扱わわれる食材は旧市場とほぼ変わりないとみられる。中国の食文化に詳しいジャーナリストが言う。

「英オックスフォード大などの動物研究者らによれば、感染流行前に旧市場で生きたまま売買されていた野生動物は約4万7000件。種類はコウモリ、アナグマ、タケネズミ、ヤマアラシ、毒蛇、オオサンショウウオと多岐にわたり、タヌキやウサギの臓器なども販売していたようです。ただし、新型コロナウイルス感染者が相次いだことから、政府は2020年に野生動物の食用取引を全面禁止にした。とはいえ、中国では野生動物は『野味』と呼ばれ滋養強壮に効くと人気は根強く、現在も店の奥でこっそり売買されているといわれています」

 新鮮な野菜や果物、海産物、食肉を販売する生鮮市場はアジア全域にあり「ウェットマーケット」と呼ばれるが、野生生物を扱う市場は「ワイルドライフマーケット」といい全くの別物。ワイルドライフマーケットは、食肉またはペット用の野生動物に特化しており、市場そのものは合法なのだが、取引が禁止されている動物を販売していることも少なくないという。

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「中国にどのくらいの数のワイルドライフマーケットが存在するかは不明ですが、コロナ感染拡大を受け中国政府は20年4月、牛や豚、鶏など食べられる動物のリストを公表。野生生物を扱う業者に対しても、リスト以外に飼育された動物を食用販売することを禁じる厳しい措置を取りました。とはいえ禁止されれば余計に価値が上がることになり、結局は表ではなく闇で取引されているようになっているようです」(同)

 世界で初めて新型コロナウイルスの集団感染が確認されてから4年。当初、WHOは報告書で「ウイルスは自然界から中間宿主の動物を介し人間に広がった可能性が非常に高い」と結論付けたものの、宿主動物は特定できず、起源解明には至らなかった。

「23年6月に米国家情報長官室が発表した報告書では、動物への接触説のほか武漢ウイルス研究所からの流出説もあり得るとしていますが、むろん中国側はこれを全面否定しています。ただ、今回も起源がわからぬまま、疑惑がある市場の場所だけを移転したわけですからね。自然起源だったとすれば、他のウイルスが潜んでいるリスクは十分ありうる。つまり、同様のパンデミックが引き起こされる可能性はゼロではないということです」(同)

 一部には“人工的に操作された生物兵器”との見方もあるが、ともあれ市場移転で起源特定がさらに難しくなったことは間違いない。

灯倫太郎

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