ところが、である。先のパワハラ告発状に対し、日本レスリング協会が第三委員会を設置し、調査を行ったものの、結果はシロ。告発にあるパワハラは全て却下され、告発に含まれない4点のみが認定されるという、いったいどうした、という顛末を迎えることになったのである。
ただ、栄氏は騒動の責任を取り、本部長職を辞職した。2カ月後には大学を去ったが、2018年末に学外コーチとして現場復帰。その後は再び、監督に返り咲いている。
「選手から信頼を得たい、好かれたいなどという思いはない。私はただ選手を強くするのみ」
これが持論だという栄氏だが、こと伊調に関しては、なかなか理解されなかったということだろう。
(山川敦司)