テーブルには、ヤンゴン中央駅で現役利用されているというJR車両の写真が
「トーフジョー」
続いてトーフジョーが到着。「ひよこ豆とうふの揚げ物」という説明があったけど、名前に「トーフ」が入っているのは偶然なのかなにか繋がりがあるのか(ちょっと調べてみたら、豆腐とアジアの国々の関係はだいぶ興味深い世界っぽかったので、いつか掘り下げてみたい)。
とにかく、ひよこ豆で作られたというミャンマー風豆腐を熱々に揚げたこの料理、信じられないくらいさくっさくのふわっふわで、おつまみにぴったり。そのままだと、軽い塩気とほのかに豆の味を感じるような素朴な味なんだけど、スイートチリソースに酸味を加えたような独特のたれをつけると、がらりと表情が変わる。それらを交互に味わっては飲むタマリンドサワーがたまらない。
「ダンパッウ」
そしていよいよメインのダンパッウがやってきた。インパクトのある見た目と、大きな皿から立ち上るスパイシーな香りで確信する。これ、絶対好きなやつ!
鶏肉がひたすらでかい!
たっぷりのなんらかのソースをまとった巨大鶏もも肉。予想はしていたことだけど、フォークで押さえてスプーンを差し込んでみると、おもしろいようにほろりと崩れる。口へ運ぶと、柔らかくてジューシーな食感と共に広がる、カレーっぽい複雑なスパイス風味。これは……思わず意味不明な笑いがこみあげてくる美味しさだ。
一瞬で原型がなくなる鶏肉
それをどっしりと受け止める炊き込みごはんがまたいい。スパイシーさはあるものの穏やかな味わいで、あまりポジティブな表現じゃなくなってしまうけど、若干パサっとしているところが、むしろ鶏のジューシーさと合う。そこにグリーンピースなどの野菜や、カシューナッツ、さらに(たぶん)レーズンが入っているのが、甘みとじゅわっと感のアクセントを生んでいて、それらすべてのバランスが計算されつくしているような完成度だ。
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ベストバランス!
酒メニューに日本酒や焼酎があるのは、日本のミャンマー料理店ならではだろう。タマリンドサワーに続き、「芋焼酎」(440円)をロックでもらう。ミャンマー料理をつまみに芋焼酎、その違和感もまた、なんだか楽しいのだった。
「芋焼酎」
不勉強なことでお恥ずかしい限りだが、高田馬場にはそもそも、「リトル・ヤンゴン」と呼ばれるミャンマー人街があるらしく、ここの他にもミャンマー料理店はいろいろあるよう。ひとつの店でこれだけメニュー豊富なのに、さらに店の選択肢までたくさんあるなんて、なんて楽しい街なんだろう。高田馬場でのミャンマー飲み、これはハマってしまいそうだな……。
取材・文・撮影/パリッコ