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新入社員の相談に乗るのは定時までに? 意識調査から読み解く「理想の職場」

ABEMA TIMES

 さらに、現在の会社に居ながら他者のプロジェクトに参加することは、転職を考える前のステップとしても良いという。

 「いきなりスタートアップに転職することはリスクもあり、自分に合っているかどうか分からない場合もある。サイドプロジェクトとして他社の業務に参加する中で、自分に合った働き方か、自分のスキルが足りているかどうかなども明確にわかる。採用する企業側も、大企業から給与の高い人材を雇う前に、一緒に仕事をしながら価値観や仕事の進め方が合うかどうか、互いに確認し合うことができる」

 さらにファリザ氏は中小企業におけるサイドプロジェクト参加について「中小企業は規模が小さいために自分たちの仕事だけで多忙である場合もあるが、休日など自由な時間に兼業したい場合でも、許可しない会社が多い。背景には『自社のスタッフを奪われるのが怖い』という思いがあるようだが、長期的に見ると本人のキャリアにとっても良いことではなく、自社でそうした人材をキープし続けることで本人のインプットの機会が減ってしまうため、長期的にみると会社にとっても良いことではない」との見解を示した。

■今、日本人に必要なのは「何もしない時間」?

 東京商工会議所の調査において、新入社員に聞いた「理想の上司はどんなことを重視する人か?」という質問には、「仕事の指導を丁寧に行う」「明確な理念や考えを持つ」「人間関係、チームワークを重視」などの項目が上位にあがったが、海外ではどんな上司が求められているのだろうか?

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 ファリザ氏は「業界によって求められるリーダー像は違う。例えばAIなど技術分野では、その技術に詳しい人物が求められるが、プロジェクトマネジャーの立場であれば、メンバーが効率よく仕事ができるような環境作りをサポートできる人が求められる」と分析する。

 さらに、ALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社などが今年の新入社員4000人あまりに行った調査によると、「定時に帰りたい」という新入社員が過去最多になったことについては「当たり前で自然なことだ」と話す。

 「日本人が遅くまで残業する働き方は海外でも知られている。ヨーロッパのパートナーが驚いたのは、リモートで日本からできるような規模のプロジェクトだったにもかかわらず、日本人のメンバーが自分の家族を日本に置いて、1〜2年海外に移住してプロジェクトに参加したことだった。ヨーロッパの人々から見ると、リモートでも可能なプロジェクトに対して、自分の家族を置いて外国に住むというのは1週間でも辛く、あり得ない話だと言っていた」

 日本でも昔のような「長時間労働」を推奨するような時代からは変化しつつある。ファリザ氏は、良いアウトプットのためには「何もしない時間が大事だ」と話す。

 「私たちの時代はインプットの情報が非常に多く、身につけなければいけないスキルもどんどん変わってきている。インプットするのもいいが、ちゃんと情報を整理して、何もしない時間を作らなければクリエイティブなことができなくなってしまう」

(『ABEMAヒルズ』より)

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