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先代の夢を受け継ぎ、フランス国内でも強く支持されるブルゴーニュ・ワインを生み出す「ジェノ・ブーランジェール」

ワイン王国

その後、メルキュレのワインをいくつか比較試飲するとクオリティーにばらつきがあった。調べてみると、質の高いワインは最近植えられたクローンで、質の低いものは1974年に植樹されたクローンだったそうだ。
「フィロキセラ禍以前の文献では、現代ブルゴーニュの中心的な産地と肩を並べる存在としてメルキュレが語られています。1970年ごろイギリスを中心に高まった需要に応えるべく、高収量、低品質のクローンが植樹され、それが今も残ってしまっているのです」
メルキュレのポテンシャルを反映するべく、ラヴォレ氏は新しいクローンに植え替えることにした。

ジェノ・ブーランジェールのワインはフランス国内での消費が生産量の半分を占め、アジア人で初めてフランスで3ツ星を獲得した日本人シェフ、小林圭氏も愛用しているそうだ。パリ8区のグランメゾン「アラン・デュカス」にもラインナップされており、同ドメーヌの赤ワインと魚料理がペアリングされているという。

キーワードは“フレッシュ”なワイン

プレスランチでは3種の白ワインと2種の赤ワインが供された。『ボーヌ プルミエ・クリュ レ・グレーヴ 2020年』は野イチゴの香りにスパイスや土の印象が重なり、シャープな酸を感じる。アフターにはチャーミングで心地いい余韻が長く続く。
「魚料理には赤ワインを合わせたほうが、味わいが柔らかく広がる」と言うラヴォレ氏にならって、「スズキと葡萄の葉のパイ包み焼き」に合わせると、ワインのしなやかさと、身のふわっとした魚のテクスチャーがマッチした。

『ボーヌ プルミエ・クリュ レ・グレーヴ 2020年』に合わせたのは「千葉県 館山産 スズキと葡萄の葉のパイ包み焼き~ハーブを加えたプールブランソース~」

「どんなヴィンテージでもフレッシュさを残したい」「パワーではなくフレッシュさが大切」と、“フレッシュ”というキーワードを大切にするラヴォレ氏は、パワフルなワインが多かったフランスでエレガントなワインを生み出すことで、フランス国内でも大きく成功した。
先代が描いた「その地に何かを残したい」という夢を確実に叶えながら突き進むラヴォレ氏の新たな挑戦から目が離せない。

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(左から)『ピュリニー・モンラッシェ レ・ノロワイエ 2020年』(品種:シャルドネ100%、参考商品)
『コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ 2020年』(品種:シャルドネ100%、参考商品)
『ムルソー プルミエ・クリュ ブシェール 2019年』(品種:シャルドネ100%、参考商品)
『ボーヌ プルミエ・クリュ レ・グレーヴ 2020年』(品種:ピノ・ノワール100%、税込参考小売価格:1万4300円)
『ヴォルネイ プルミエ・クリュ ロンスレ 2020年』(品種:ピノ・ノワール100%、参考商品)

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