世界販売で苦戦しているテスラ。その理由のひとつに必ず挙げられるのがイーロン・マスクCEOのクセの強い言動……
EVシフトが声高に叫ばれていた昨今だったが、「EV販売の雲行きが怪しい」とか「ハイブリッドの逆襲だ!」なんて論調の報道やSNSが激増中!? いったいどうなってんの? 取材の鬼・自動車研究家の山本シンヤ氏に聞いてみた。
■正念場を迎えた”EV王者”――ここにきて”EV失速”の報道が相次いでいます。また、イーロン・マスクCEOが率いる米国EV大手のテスラに関しても、「正念場」とか「減速」という言葉を使った報道が目立っています。
山本 私はEV失速というよりも、「EVに対するメディアの考え方が正常になった」と分析しています。
――どういうこと?
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山本 これまで新聞や経済メディアはEVの不都合な部分を取り除いた上で、「これからはEVの時代だ!」と世論を煽る記事を展開してきました。しかし、自動車業界を長年取材してきた私は、その記事の論調に当初から疑問を持っていました。
――自動車業界で耳にする声と、EV推しメディアの主張に隔たりがあったんですね?
山本 ところが、その手のEV推しメディアからは、「おまえらジャーナリストは自動車メーカーとつながっているから、そういうことを言うんだ!」と散々叩かれた。
――要するに山本さんは”負のレッテル”を貼られたと。
山本 EVの現状を冷静に把握できたら、非礼を詫びてほしいですね(苦笑)。
――では、テスラが「正念場」とか「減速」と書かれる背景には何があるんスか?