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日本最強の飛行教導隊、「空自アグレッサー」のどこがすごいのか?

週プレNEWS


F15DJの前席に乗る山田正史元空将。機体の独特な迷彩塗装は、空自教導隊AGR独自のもの
4月5日に『赤い翼 空自アグレッサー』(並木書房)という書籍が発売となった。日本最強の「飛行教導隊」(現・飛行教導群)の40年に渡る歩みと将来を、当事者らの証言で明かした一冊だ。

その本の始まりは、昨年週プレNEWSで行なった日本最強の「飛行教導隊」のインタビューだった。そこに登場した元飛行教導隊隊長・山田真史元空将にこの本の刊行にあわせて改めて話を聞いた。

*  *  *

航空自衛隊飛行教導群はアグレッサー(Aggressor=侵略者)とも呼ばれる。そして、アグレッサーに在籍する戦闘機パイロットが、自らその部隊を名乗る時の呼称は「AGR」だ。

航空自衛隊(以下、空自)の小松基地に本拠地を置き、一年を通じて全国の空自戦闘飛行隊を巡回。有事には戦う可能性のある戦闘機の戦い方を模擬して、空自戦闘機と戦う。

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航空祭では、飛行するブルーインパルスが大空への憧れ、カッコ良さを公開展示する。一方、AGRは『裏のブルーインパルス』と呼ばれ、大空での敵機の戦い方を展示する。しかし、非公開だ。

そのAGRのひとりが、山田元空将だ。ちなみに戦闘機乗りは、それぞれ飛行中にも呼びやすいように”タックネーム”が付けられる。先輩から命名されるものだが、山田氏は酒を飲むと顔が赤くなることから猿、モンキーが転じて「ゴクウ」と呼ばれる。そんな山田氏は、格闘戦(相手機を視認して戦う空戦)の訓練を例に、AGRの高い能力をこう説明する。

「ある時、AGRがF15DJ・2機でディフェンス(防御)側、教導訓練を受ける部隊が2機でオフェンス(攻撃)側として訓練をしました。AGRが敵機を現示して、訓練部隊にこうやって攻撃してほしいという色々な仕掛けをするわけです。

その訓練で、このまま行くと訓練部隊同士がぶつかるかもしれないという場面が起きました。

その時は、一番機がダイスで、私は二番機に乗っていて、無線で「ちょっとやばくない?」みたいなやり取りをしました。

それから一秒も掛からずに、AGRの2機が訓練部隊との軸線をパーンとずらして、回避しました。結局ぶつからず、無事に訓練は終わりました」

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