top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

「ビール×音楽」で紡ぐ亡き妻との夢。心を揺さぶる小さな醸造所の挑戦

週プレNEWS


バタフライブルワリーを営む入谷公博さん

ギターにフルート、オーボエにヴィオラ。変わったところでは、ハンドパンに和琴といった名前も並ぶ。これらはすべて、クラフトビールに付けられた商品名である。

2021年11月、愛知県春日井市にオープンしたバタフライブルワリーは、その優しい風味と確かな味を兼ね備えた作風で、着々と存在感を増しているマイクロブルワリー(小規模醸造所)だ。その商品名が示す「ビール×音楽」のコンセプトには、亡き妻と見据えていた未来への想いが込められている。

今回はブームに沸くクラフトビールの世界で見つけた、ある夫婦の物語をご紹介したい。

* * *

■転勤先の東京で得た2つの出会い

広告の後にも続きます


コンサートスペースを併設した、バタフライブルワリーの醸造所

音楽に耳を傾けながら、美味しいビールが飲める空間をつくりたい――。それは亡き妻と語り合った夢だった。

現在、生まれ故郷の春日井市でバタフライブルワリーを切り盛りしている入谷公博(いりたに・きみひろ)さんだが、クラフトビールと出会ったのは東京で暮らしていたときのことだという。2001年に愛知県内の大学を卒業後、地元で国際物流の企業に就職したが、5年後に東京へ転勤。たまたま赤坂のベルギービール専門店を訪れる機会があり、エールビールの多様性に大いに感銘を受けた。

「当時はまだ若かったので、どちらかというと質より量でしたが、それでも日本の大手がつくるラガービールとまったく違うタイプのビールばかりで、単純に楽しかったですね。この体験が後々、クラフトビールへの興味に直結したのは間違いありません」

なお、入谷さんには10年に及ぶ東京生活の中で、その後の人生を左右する重要な出会いがふたつある。ひとつはベルギービールとの出会い。そしてもうひとつは、伴侶となる光江さんとの出会いである。

プロのフルート奏者として活躍していた光江さんと出会ったのは、2012年の2月のことだった。すぐに交際を始め、早くもその夏には入籍したというから、大恋愛だった様子が窺える。

■故郷・春日井市へのUターンで起業を決意
  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル