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【天然記念物】小さくてかわいい野間馬

乗馬メディア EQUIA

日本には固有種である在来馬が存在するのですが、全部で何種類いるかご存知でしょうか?
在来馬といえば、木曽馬や北海道和種(道産子)が有名ですが、その他にも全国には8種類の在来馬がいます。
今回は、その在来馬の中で最も小さい野間馬についてまとめました。

特徴

野間馬は、愛媛県今治市の野間で飼育されている、日本で一番小さな在来馬です。
体高はおよそ120cm以下と小型で、ポニー種に分類されます。サラブレッドに比べると、かなり小型な馬ですね。ちなみに木曽馬や北海道和種(道産子)の体高は、125~135cmです。

野間馬は、全体的にずんぐりとした体形をしています。
やや大きめの頭部や太く短い首、丸々とした胴まわり、体格のわりに長めの背、太くて短めの肢、長く豊かなたてがみや尾毛などが特徴です。毛色は、栗毛や鹿毛がほとんどですが、かつては色々な毛色の馬が存在していました。

関節は骨太なため、骨折しにくいといわれています。また蹄は緻密で堅く、蹄鉄を履かせる必要がないそうです。
体質は強健で消化器官が発達しており、粗飼に耐えるため、野草のみでも育成できると言われています。

性格

野間馬はおだやかで優しい性格です。また非常に賢いため、ホースセラピーとしてや小学校のクラブ活動などに使われています。

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また、丈夫で力持ちな上に忍耐強く大変よく働く馬だったので、昔は荷物を運んだり田や畑を耕したりするのに大変役立っていました。

歴史

野間馬は、かつて四国に存在した越智駒や土佐駒などと同様、日本在来馬の一種です。縄文時代末期には既に祖先が存在したと推測されています。

その昔、伊予松山藩藩主・松平定行が来島海峡にある小島に馬を放牧し、合戦用の馬の繁殖を試みたのですが、疾病発生と飼料不足で繁殖に失敗しました。その後、今治藩領内の野間郷一帯の農家に繁殖を委託し、増産が進められました。
体高4尺(約121cm)を定尺とし、この定尺より大きい馬は藩公から飼育費の他に報奨金が与えられて増産を進められました。一方で、体高4尺(約121cm)よりも小さな馬は農家に無償で払い下げられたため、農家では小さな馬同士での交配がおこなわれ、「野間馬」が誕生しました。

野間馬は頑健で粗食に耐え、蹄鉄がなくとも70kg程度の重い荷物を乗せることができるため、増殖が盛んに進められました。江戸時代には約300頭を超えるまでに増え、農耕や荷物の運搬に用いられていました。

しかし明治時代には、政府が国が軍馬増産を推奨し、小型馬の生産・育成を禁止しました。また昭和時代に入ると、農業の機械化が行われたことで野間馬の数は激減してしまいました。
一時は絶滅寸前まで陥ったのですが、1978年(昭和53年)、松山市の篤志家が自身の所有する野間馬(牡1頭、牝3頭)を今治市に寄贈しました。これをきっかけに今治市に「野間馬保存会」が結成され、以後は増産が進められました。

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