大谷投手対打者岩鬼の対決は、力と力の勝負になることが予想される。大谷投手はコントロールも良いだけに、悪球はほぼ期待できない。岩鬼がその状況をどう跳ね返すのか。一方投手岩鬼対打者大谷の対決は、メジャーリーガーの160キロに達するストレートをホームランし続けている大谷がかなり有利だろう。岩鬼としては得意の荒れ球を武器に勝負したい。
殿馬一人(ドカベン)
明訓高校の2番打者、殿馬一人。「白鳥の湖」「黒田節」などの秘打や、ピアニスト経験を活かしたリズム打法で、対戦相手を撹乱してきた。唯一明訓高校に勝利した弁慶高校の武蔵坊数馬は、山田太郎よりも殿馬を恐れていた。また、劇中「昭和の怪物」と呼ばれていた元読売ジャイアンツの江川卓氏が「山田太郎より殿馬のほうが嫌と話している」と実況アナウンサーが紹介したこともあった。
殿馬は二塁手として出場したが、一度だけマウンドに上がったことがある。ピアニストになるため指の股を深くする手術を受けているため、フォークボールを得意としていた。また、ボーリングの球を転がすように投げる「秘投ボーリング」という球も武器としている。
大谷投手対殿馬の対決は、独特のリズム打法を駆使する殿馬に大谷投手も手を焼くことだろう。しかしリズム打法を得意とする殿馬も、165キロのストレートとスイーパーやチェンジアップを駆使する大谷投手には苦労するはずだ。
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打者大谷対殿馬投手の対決は、大谷選手が有利だと思われる。しかし殿馬は相手のリズムを崩すことに長けており、1打席勝負なら抑える可能性もありそうだ。
上杉和也(タッチ)
『タッチ』で野球の天才として語られていた上杉和也。1試合18奪三振、打ってはサヨナラタイムリーと高い才能を見せていた。
才能とともに努力を怠らない性格で、ストイックに野球に取り組むことができる。これは大谷選手に通じるものがあるといえよう。
和也は事故に遭い死亡してしまったため、大谷選手との対決は叶わぬ夢だが、仮に彼が努力を怠らず、プロ野球の世界に飛び込んでいれば、大谷選手に勝るとも劣らない選手になった可能性がある。
漫画を超越する大谷選手と、野球漫画界を湧かせたスタートの対決。叶わぬ夢ではあるが、できることなら見てみたい。
(文=佐藤俊治)