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麺に見えて餅(ビン)!北京風味の炒餅(チャオビン)を市川市行徳「以琳厨房」で味わってきた

80C[ハオチー]

突然ですが、今回クローズアップする料理、これは何に見えますか?

太い平麺の炒麺(焼きそば)?
いいえ、これは炒餅(chǎobǐng|チャオビン|炒饼)といいます。

炒餅というなら、お餅を炒めたもの?
いいえ、これは餅(bǐng|ビン|饼)です。

材料はほぼ一緒!麺(ミェン)と餅(ビン)はどう違う?

餅(ビン)とは中国の“粉もの”、中国語で“粉食”の一種です。小麦をはじめ、穀類の粉を原料として、焼いたり蒸したりした食品をいいます。

食材を包むために薄く伸ばしたり、少し厚めの丸型にしたり。具なしもあれば、食材を生地に絡ませたり、餡を入れたり。形状はさまざまです。例えば、中国の軽食として親しまれている煎餅果子(煎饼果子|jiānbǐngguǒzi|ジィェンビングゥオズ)も、餅の一種ですね。

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そのなかで炒餅に使われるのは、小麦粉・水・少量の塩でつくった生地を薄く焼いた烙饼(laobing|ラオビン)と呼ばれるもの。そのまま主食として食べることもありますが、細切りにして炒めると、先ほどの写真の炒餅(チャオビン)になります。

餅の材料は麺と変わらないため、食べたら麺とさほど変わりないのでは? そう思うかもしれませんが、口にすると、麺とは異なるもっちりとした食感にきっと驚くはず。麺でなく、餅(ビン)を炒めることで、無二の食感を楽しむという、北方の粉食文化の奥深さが感じられることでしょう。

太く切ったうどんのように見えますが、食感は餅(ビン)ならでは。

特に北京・天津・山東・山西・河北・河南・陕西など中国北方の人々にとって、炒餅は老若男女にとって“心の味”です。北方人の炒餅愛はとても深いもので、「炒餅食べたくなった」は「故郷が恋しい」という意味に等しいと例えられるほど。

彼らにとって、炒餅とは童年時代からおうちで親しんだ味、食べ盛りの学生時代にもりもりとエナジーチャージした味、働き尽くした晩に疲れを癒した味であり、家庭でも屋台でも親しまれているもの。

それに対して、中国南方の人々にとっては「えっ? 炒餅? それは一体…?」という料理でもあります。広大な中国、南北の食文化の違いは、以前80C(ハオチー)でご紹介した「ドクダミ食」を思い出しますね。

ところでこの炒餅、これほど北方に根付いていながら、日本の中華料理店ではなかなか見られないメニューです。それがなんと、千葉県市川市行徳の「北京家庭料理 以琳厨房」にあったのです!

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