今回の結婚式でこころが一条を刺したという工作については、犯人がこころにスタンガンを当てたのを見かけて、一条が息子の妻を助けようとしてアイスピックで刺されたという見方もできる。ただ分からないのが、こころが最初の標的ならば、一条を殺した後にこころも始末してしまえばいい。むしろ最初から一条を誘き寄せるためのこれまでの連続殺人だったのだろうか。
第7話では、一条の霊安室に訪れた、居酒屋「どんぞこ」の店主・庭月源治(酒向芳)が、一条と同じ高校の同僚教師であったことが明らかとなった。20年前、サッカーの部活で負傷した生徒が宗像家の息子で、部の顧問だった一条が、モンスターペアレントの宗像の両親から責任を取るよう恐喝され、最後は「家族をめちゃくちゃにする」とまで言われるほど追い詰められていたと明かす。だから、「もう大丈夫」の一言だったのか。モンペの両親に迫られたとはいえ、一家惨殺はさすがにありえないので、源治の言葉は眉唾物。むしろ、この男が殺害した可能性もある。現在のパートナーである店員の庭月聖夜(長田成哉)とは高校時代の教師と生徒の関係だった。そんな源治なら、宗像家の長男に手を出し、トラブルになって殺害したのを、一条が罪を被るよう工作した線も考えられる。
さらに気になるのが、虎松の元妻の刑事・暁(MEGUMI)。20年前の事件を担当し、一条を20年間追い続けたきた。そんな一条の息子となぜ結婚し、離婚したのか。占い師としてこころに近づいたのも、虎松と結婚したのも、全ては宗像事件の真犯人を見つけるためなのだろうか。いずれにせよ、20年前の事件と一連の吸血鬼殺人を結びつけるのは難しい。どん底に集まるみんなが吸血鬼のような気もする。
やはり、加賀美=吸血鬼ハンター説が有力だが、ほかにも虎松=狼男説、南十字=ハンター説、そして庭月源治真犯人説。この辺りに絞られてくると予想する。
(文=本 手)