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スクリーミングイーグルの姉妹ワイナリー「ザ・ヒルト」「ホナータ」。植物や虫を愛し土壌を探求するマット・デニス氏が造る、畑のテロワールを反映した透明感のあるワイン

ワイン王国

サンタ・リタ・ヒルズは複雑に入り組んだAVAだ。自社畑「レイディアン」と「ベントロック」は「近いけれど、かなり個性が違います。レイディアンはより太平洋に近く、シャルドネはレーザービームのようなフレッシュな酸が、ピノ・ノワールは黒い果実、そして土壌のニュアンスが感じられます。一方、ベントロックは、もうちょっと暖かい風が吹き、土壌も石がゴロゴロ。この石が日中温まることにより夜に放熱し、果実を温めます」

地面には大きな石がゴロゴロ

だからこそ、ワインになると「レイディアン」は芳醇なアロマを持ち、しっかりとした骨格が特徴。「ベントロック」はミネラリティとパワーを備えたスタイルになる。

「二つの畑をワインにブレンドする作業が一番テンションがあがる」というマット氏。『エステート シャルドネ サンタ・リタ・ヒルズ』はみずみずしい果実味とくっきりとしたほとばしるような酸、そして海の塩を思わせるミネラル感を感じる。生き生きとした印象もありつつ、酸と果実味とミネラル感のバランスが取れた味わいだ。『ベントロック・ヴィンテージ・シャルドネ サンタ・リタ・ヒルズ』は、白桃やアプリコットのようなアロマ。樽のニュアンスもあり、余韻も長い。

『エステート ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ』は赤系ベリーのほか、ローズマリーなどのドライハーブのニュアンスも。ピュアな果実味とフレッシュな酸味、繊細なタンニンな印象的。『ベントロック・ヴィンヤード ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ』は、赤い果実のほかセージのような清涼感も感じる。口に含むとしっかりとビロードのようなタンニンを感じ長期熟成をしても期待できそう、『レイディアン・ヴィンヤード ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ』は、エレガントな余韻。黒系ベリーのほか、黒コショウやクローヴなどのスパイスのニュアンス、果実味の旨味をしっかり感じた。

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同じサンタ・バーバラでもホナータはサンタ・イネズ地方のAVAバラード・キャニオン。ザ・ヒルトは、シャルドネ、ピノ・ノワールの単一品種でのワインだが、こちらはブレンドで、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラーが主体。土壌は「砂質というか……砂だね」という金色に光る砂質土壌。

土地を探していた時、案内人に「この土壌ではブドウは無理だ。アスパラガスを栽培した方がいい、とまで言われた」という土地にボルドー系品種を植えた。今では、カリフォルニアを代表するスーパープレミアムワインとなっている。

「砂の土壌でブドウの成育がコントロールされ、ブドウ樹も房も小さくなり、凝縮した果実味ができます。日中が暖かいので、カリフォルニアらしい果実味ができ、夜が寒いため酸とフレーバーを湛えるのです」

ワイナリーでは、持続可能な農業と環境に力を注いでいる。鶏や七面鳥、ヤギ、豚、羊などの家畜を野放しにすることで、砂質で痩せている畑と土地全体を肥沃に良い状態に保つことができるという。除草剤や殺虫剤は使わず、環境に有益な昆虫や植物を迎え入れることで、生態系を構築しているそうだ。

『フロール ホワイト・ワイン バラード・キャニオン サンタ・イネズ・ヴァレー』はソーヴィニヨン・ブラン85パーセント、セミヨン5パーセントのボルドースタイルだ。ネクタリンやユズ、口に含むと滑らかな果実味とともにライムやレモンの風味が広がる。『トドス レッド・ワイン  バラード・キャニオン サンタ・イネズ・ヴァレー』は、「ホナータらしさを一つの瓶に詰めた」という1本だ。シラー主体にカベルネ・ソーヴィニヨンやプティ・ヴェルドなど10品種をブレンド。スミレやナツメグ、エスプレッソ、黒コショウ、ブラックチェリーなど複雑な香りが次々と立ち上る。口に含むと充実した果実味とバランスの取れた酸、ソフトなタンニンが広がり、旨味も感じる。

どちらのワイナリーも、カリフォルニアらしい果実味を持ちつつも、酸味がありフレッシュ、骨格がしっかりしている。土壌を探求しているマット氏らしい、一切の妥協も許さずその土地の特徴を表現したワインだった。

問い合わせ先:WINE TO STYLE㈱ TEL.03-5413-8831

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