肉は加熱しすぎると、肉自体が持っている水分を吐き出してしまうので、繊細な加熱が必要です。レアやミディアムなど精妙な焼き加減を要求される、ステーキなどの肉メニューの冷凍食品デビューへの道のりは険しいわけです。
もっともハンバーグとなると話は別です。そもそも内部まできちんと火を通さなければならないメニューですが、一度火を通したハンバーグを冷凍すると逃さなくてもいい肉汁までも失ってしまいかねません。
そこで開発者は恐らくこう考えたのです。生産サイドでは表面の香ばしい焼き目だけつけ、調理の仕上げ工程は家庭でやってもらおう。どのみち、湯煎で内部までしっかり温めなければならないのだ。ならば、工場生産では内部を生の状態にとどめ、よりおいしい“できたて”の状態で召し上がっていただこう、と(あくまで憶測です)。
だからこそ、このハンバーグは中まで箸もすっと入るほどのやわらかさ。食パンにも合いますが、まずは何もかけずに白いご飯とともに召し上がってみてください。やわらかな口当たり、じゅっとしみる肉汁、一口目からおいしい塩気とスパイスが、純白のご飯の甘さを何とも引き立ててくれます。
書いていたらお腹が空いてきてしまいました。ちょっとご飯を炊いてきます。