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miwa、会場を一つにした5年ぶりの『acoguissimo』ツアー 観客と作り上げた熱量高いステージ

Real Sound

 続くアンコール2曲目は、会場ごとに違う楽曲を演奏しているという。東京公演で披露されたのは「そばにいたいから」。デビュー前に下北沢LOFTでライブをしていた時代から演奏していたという、彼女にとって大切な1曲だ。当時を思い出していたのか、歌い上げた後にmiwaは「誰も聴いてくれる人がいない中でも自分を信じて歌ってきました。その先に今があります」と語り出す。

 「ギターだけでみんなと繋がれて本当に幸せです。みんながいるからこうして歌うことができています」と感謝を告げた後、ラストに届けられたのは「アコースティックストーリー」。彼女の言葉と、〈タオル回す笑顔も/クラップも君の声も/なにひとつ欠かせはしない〉という歌詞を聴きながら思う。ああそうか、miwaは1人ではないのだと。もちろんステージに立っているのは彼女だけだが、このライブは観客とともにつくりあげているものだ。『acoguissimo』は、観客の声や手拍子があってこそ成り立っているもの。一緒に最高の景色を見に行く〈みんな〉が必要なのだと。

 曲の終盤、観客の歌声が響く中でmiwaはギターを弾く手を止め、ステージの前方へ歩いて行った。フロアの近くまで寄って、一人ひとりの声を聴くように、表情を目に焼きつけるようにじっくりと見届ける。この日、ステージとフロアの垣根を越えて、会場は間違いなく1つになっていた。

 MCでmiwaは、「弾き語りは私の原点であり、これからも続けていきたいもの」だと語っていた。その言葉通り、当初の目標である47都道府県制覇を達成した後も、彼女は再びギター1本で各地を周っている。そして行く先で待っている人たちとともに、素晴らしいライブをつくりあげていくだろう。音楽を辞めない限り、miwaのアコースティックストーリーはこれからも続いていくのだ。

(文=かなざわまゆ)

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