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植村花菜 小学生の時2人暮らしのおばあちゃんを怒ってしまった理由は?

女性自身

 

その日から、自己流で歌の練習を始めた。

 

「毎日、家族にうるさいとか耳障りだとか言われながら(笑)。カセットテープに自分の歌を録音して“ここは表現の仕方が悪いな”とか、改善点を見つけて研究を重ねました」

 

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それからしばらくして隣で暮らす祖父が亡くなり、「おばあちゃんが一人でかわいそうだから」と、祖母との2人暮らしが始まった。

 

祖母が寝てしまった後は、誰に気兼ねすることもなく自分の見たい番組を見ることができた。歌手になる夢を描いていた植村さんは、歌番組をもれなくチェック。

 

「『ミュージックステーション』(’86年~・テレビ朝日系)、『ポップジャム』(’93~’07年・NHK)、『うたばん』(’96~’10年・TBS系)と、ありとあらゆる音楽番組をすべて録画して、自分の好みに関係なく、はやっている歌は全部そらで歌えるくらい練習しました。友達から『あれ、歌って』と言われたら歌えるような、人間ジュークボックス状態」

 

’90年代から急増したカラオケボックスも小学5年から利用し始めて以降、毎週末、7~8時間歌い続けたという。

 

「当時は、今井美樹さんの『PIECE OF MY WISH』(’91年)がすごく好きで、おはこでした。家でも歌の練習をしていましたが、カラオケでマイクを持って歌うのが楽しかったんです」

 

 

■登場人物すべてが魅力的だった「古畑任三郎」

 

歌番組と同じように、必ず録画していたのが吉本新喜劇だ。

 

「毎週、土曜の昼12時からの吉本新喜劇を見たいから、祖母には必ず『12時にこのボタン(ビデオの録画ボタン)を、絶対に押してね』と口酸っぱく言って登校。でも、おばあちゃんだから録り忘れちゃうこともあって……。私も子どもだったから、すごい勢いで怒ってしまったことも」

 

連続ドラマも毎週の楽しみ。

 

「子どものころから海外の『名探偵ポワロ』『シャーロック・ホームズの冒険』『刑事コロンボ』(すべてNHK)が好きだったので、『古畑任三郎』にはハマりました」

 

物語の構成も、斬新だったと振り返る。

 

「一般的なミステリーって、最後のほうまで犯人がわからないのですが、『古畑任三郎』は、最初に犯人がわかった状態で、古畑がどのように犯人を追い詰めていくのかという展開。ほかの刑事モノと違う面白さがありました。やむをえない事情で人を殺めてしまった犯人が出てくることもあり、犯罪に潜む人間物語にもひきつけられました」

 

出てくるキャラクターは、みんな魅力的だったという。

 

田村正和さん演じる古畑任三郎はとにかくジェントルマン。西村まさ彦さんが演じる相棒の今泉くんのキャラも最高じゃないですか。このコンビが挑んでいく犯人役が毎回豪華。初回のゲストは中森明菜さんでしたよね」

 

誰もが思い出に残る犯人だった。

 

小堺一機さんの回は、最初から古畑に犯人だとバレているのに、必死でごまかそうとしている姿が面白かった。超敏腕弁護士役で出演した明石家さんまさんは、法廷でしゃべりすぎちゃって犯行が明らかになるという展開(笑)。大人になって見返した市村正親さんの回も忘れられません。指揮者の役でレコーディングスタジオのシーンが出てくるのですが、そこが私もよく使っていたスタジオで感動しました」

 

’90年代には音楽番組やドラマとともに、一緒に暮らした祖母との思い出もたくさん詰まっている。

 

「相撲やのど自慢は、よく祖母と一緒に見ていました。学校から帰ってきたら、必ず晩ごはんまでの時間に五目並べをするんです。一緒に買い物に行ったり、鴨南蛮を食べたり--。そんな暮らしを歌にしたのが、『トイレの神様』だったんです」

 

おばあちゃんと過ごした何げない日常の記憶が、幼いころから夢見た歌手になった植村さんの人生を大きく変えてくれたのだ。

 

【PROFILE】

植村花菜

’83年、兵庫県生まれ。’05年に『大切な人』でメジャーデビュー、’10年、祖母との思い出を歌った『トイレの神様』が大ヒットし、同名の小説や絵本も出版された。’16年からは拠点をニューヨークに移し、現在は日本と行き来しながら音楽活動を行っている。1児の母

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