top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

10代の感情は波のように制御できない!超青春映画「子供はわかってあげない」

キネマ旬報WEB

──正座で向き合ったもじくんは、美波の口から出る言葉が、わかっている。

「プロダクションノート」で別世界へ

ブルーレイは特典がいっぱいだ。「イベント集」は、舞台挨拶に登壇したメインキャストの思いや裏話が聞けるのはもちろん、それぞれ劇中とは違う衣装も新鮮。劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」の声優・富田美憂と浪川大輔が登壇したトークイベントも楽しい。そんな「KOTEKO」のフル尺バージョンも収録されているので、こちらも期待してほしい。

「本編メイキング」は、和気藹々とした撮影の模様がうかがえる。沖田監督の人柄が、映画のムードを醸成しているのだとわかる。クランクアップを迎えた上白石萌歌と細田佳央太、それぞれの感謝の挨拶に至るまで見逃せない。

「未公開シーン集」は、電車で美波ともじくんが語り合う「愛について」、水泳部部長選挙を追った「新部長、宮島の誕生」、父と仲良しな少女・じんこちゃんに泳ぎを教える美波の姿と、父の指圧の師匠が美波に語るさまを収めた「美波の名前の由来」、美波が水着姿を気にしながらもじくんと浜辺を歩く「前向け、前」、もじくんが兄・明ちゃんと祖父との和解を目撃する「明大と祖父のハグ」の5シーン。個人的には「明大と祖父のハグ」が白眉と思えた。陰影ある木々のそよぎに導かれ、やや遠目に明ちゃんと祖父が歩み寄る姿を捉えた同シーンは、奇妙におかしくて美しい。

「ブックレット」は、水と空、光の中で呼吸した上白石萌歌と細田佳央太の姿をはじめ、キャストの写真がずらり。そこにアニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」のピンクを基調としたカラフルな設定資料集が対比される。さらに沖田監督の手による「プロダクションノート」とは名ばかりの、謎の長編散文。よく見たらタイトルに「妄想」と添えられ、架空の制作過程が奇想天外かつ適当に綴られていくのだが(イラストも満載)、ひょっとしたら別の世界線ではこちらが本編なのかもしれない。何にせよ思いがけずもう一本見た気分になれるのだから、ブルーレイ版はとてもお買い得なセット商品の趣きを湛えている。

広告の後にも続きます

文=広岡 歩 制作=キネマ旬報社

「子供はわかってあげない」

●3月2日(水)Blu-ray&DVDリリース(レンタル同日リリース)
Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら

●Blu-ray豪華版:6,380円(税込) 
【映像特典】約76分
・スポット集
・劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」
・イベント集(完成披露上映会/テアトル新宿先行公開記念舞台挨拶/全国公開記念舞台挨拶/劇中アニメKOTEKOトークイベント)
・本編メイキング「2019年の、夏」
・未公開シーン集~あの夏、みせられなかった5つのシーン~
【外装・封入特典】
・三方背ケース
・ブックレット

●DVD通常版:4,180円(税込)
【映像特典】約3分
・スポット集

●2021年/日本/本編138分
●監督:沖田修一
●脚本:ふじきみつ彦、沖田修一
●音楽:牛尾憲輔
●原作:田島列島『子供はわかってあげない』(講談社モーニングKC刊)
●出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治、斉藤由貴、豊川悦司
●劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」:富田美憂、浪川大輔、櫻井孝宏、鈴木達央、速水奨
●発売元:アミューズソフト 販売元:ポニーキャニオン 
©2020「子供はわかってあげない」製作委員会 ©田島列島/講談社

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(映画)

ジャンル