4コマ漫画の巨匠・植田まさし原作の『かりあげくん』。1980年に『漫画アクション』に連載されると、その内容が人気となり、掲載雑誌を変えながら現在も親しまれている。
また1989年にはフジテレビ系列でアニメ化され知名度を広げた。そして2023年1月には実写ドラマがBS松竹東急で放送されることも決定。主人公のかりあげ正太は、俳優の戸塚純貴が演じる予定だ。
かりあげくんの魅力はさまざまだが、その1つにかりあげが表情を変えずに見せる狂気の行動がある。今回はその一部を振り返ってみたい。
幸せそうな家族に嫌がらせ
大晦日、1人寂しく道を歩いていると、家の中でワイワイしながら年越しそばを食べる幸せそうな家族を見つけたかりあげ。
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家族が鳴り響く除夜の鐘を数えているのを見ると、突然「34、21、40、46、54」などと数字を絶叫する。子供は「いくつだったかわからなくなっちゃった」と泣き、怒った家族の父親が窓をあけると、かりあげはさっさと立ち去っていった。
幸せな家族に対する1人者の抵抗。かなり酷い行動ではあるのだが、どこかで共感できる感覚もある。まさにかりあげくんの真骨頂といえそうなエピソードだ。
自動ブレーキの車に……
自動ブレーキがついた車を自慢する男。車のキーを回しながら、「乗ってみる?」と木村課長とかりあげに持ちかける。
一緒に乗ることになったかりあげは後部座席で「いわゆるぶつからない車ですね」とつぶやくと、男に詳細な道案内をする。するとそこは渋滞中の道路で、かりあげは「渋滞にぶつかります」と話した。
自動ブレーキの車をひけらかす男を渋滞にぶつけたかりあげ。そのなんとも皮肉の効いた行動は、実に痛快である。