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澤村拓一が迎えた「本格派」から「技巧派」への転換点

ベースボールキング

澤村拓一が迎えた「本格派」から「技巧派」への転換点

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2022年:第7回・澤村拓一

 レッドソックス・澤村拓一のメジャー2年目は、アップダウンの激しいシーズンとなった。

 4月は8試合に投げ、自責点を与えたのは1試合だけ。防御率は2.57という好スタート。5月もまずまずの投球を続け、27日の時点で防御率3.60だった。

 ところが、中継ぎの一員として悪くない働きを見せていた中、28日に負傷以外では初となるマイナー降格を言い渡されてしまう。

 34歳という年齢を考えればメジャー再昇格は至難の業かと思われたが、直後に別の中継ぎ投手が負傷者リスト入りしたため、僅か2日後にはメジャーに舞い戻っていた。


 その後は安定感を取り戻し、オールスター前の時点で34試合に投げて1勝1敗、防御率2.55の好成績。防御率は1年目の3.06から良化していた。

 しかし、7月以降は打ち込まれる試合が増え、シーズン50試合登板を目前にした8月下旬に事実上の解雇宣告を受ける。

 結局、シーズン終了を待たずに自ら自由契約を希望したが、獲得する球団は現れず。9月以降は登板機会がないままシーズンを終えた。


◆ データから見えたモデルチェンジ

 終わってみれば、2年目の防御率は3.73。1年目から悪化したものの、被打率やWHIPはほぼ同じ。むしろ被出塁率や被長打率などは1年目に比べて良化しており、投球内容自体も1年目とそう変わらなかったという印象だ。

 一方で、登板時に背負っていた走者を生還させた割合(IR%)は、1年目の「17.1%(6/35)」から2年目は「48.5%(16/33)」に大きく悪化していた。

 日本ではあまり馴染みがないIR%だが、救援投手には重要なスタッツ。自身の防御率には反映されないため見過ごされがちだが、澤村は高い確率で“火消し”に失敗していたことが分かる。


 また、34歳の澤村に訪れた大きな変化の一つが“変化球の使い方”にも見られた。

 メジャーでは主にフォーシーム、スプリット、スライダーの3つの球種を投げ分けてきた右腕。過去2年の3球種の投球割合はほぼ同じだったが、大きく変化したのがスライダーの被打率とWhiff%(空振り/スイング)である。

 Whiff%は昨季の「45.6%」から今季は「38.9%」へと減少。しかし、被打率は.267から.136へと大きく良化していた。これは、澤村のスライダーが“空振りを奪う球”から“打たせて取る球”へと変貌していたと考えられる。

 なお、スプリットもスライダーほどではないが、Whiff%が下がった一方で、被打率は良化していた。

 奪三振率を昨季の10.36から7.11に下げた今季は、本格派から技巧派に生まれ変わる“移行イヤー”だったのかもしれない。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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