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向かうところ敵あり? この週末は『すずめ』と『SLAM DUNK』の一騎討ちに

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『THE FIRST SLAM DUNK』©I.T.PLANNING,INC. ©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners

 先週末の動員ランキングは、新海誠監督の『すずめの戸締まり』が土日2日間で動員61万2000人、興収8億4300万円をあげて3週連続で1位に。累計動員は460万3925人、累計興収は62億6931万6300円。同期間の興収を比較すると、2016年8月に公開された前々作『君の名は。』とほぼ同じ、2019年7月に公開された前作『天気の子』の105%。先週の本コラムでは「向かうところ敵なし?」と一応「?」付きであるもののタイトルをつけたが、ここまでは順調な滑り出しと言っていいだろう。

参考:向かうところ敵なし? ロングヒットの軌道に入った『すずめの戸締まり』

 しかし、過去作の数字の推移を詳しく照査してみると、公開から17日間でほぼ横並びの興収となった『君の名は。』が公開3週目から前週を上回る異常な推移の上昇曲線を描いてのに対して、『すずめの戸締まり』は(もちろんこれが普通のことなのだが)緩やかな下降曲線を描いている。そして、今週のウィークデイに入ってからは目に見えて集客が息切れ気味になっているのだ。その背景として一つ考えられるのは、公開タイミングで300万部用意されていた来場者特典「新海誠本」に続く来場者特典第2弾、「新海誠本2」(150万部)の配布が今週土曜日から始まることを受けての「特典待ち」だろう。また、学校が冬休みに入ってからの正月興行期間に突入すれば持ち直すであろうことは、11月公開に設定した時点で配給の東宝としては織込み済みのこと。とはいえ、ここにきて上限が見え始めてきていることは否めない状況だ。

 そして、その来場者特典第2弾の配布が始まる12月3日(土)には、『ONE PIECE FILM RED』同様に東映が敢えて公開日を土曜日に設定している『THE FIRST SLAM DUNK』が公開される。公開直前まで情報が極端に制限されているのは、東宝配給の庵野秀明関連作品『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(東映、カラーと共同配給)や『シン・ウルトラマン』と同じ戦略だ。それが吉と出るか凶と出るか、と書こうとしてふと週末の各劇場の『THE FIRST SLAM DUNK』上映回の席の予約状況を確認してみたら、これが驚くほど埋まっているのだ。『すずめの戸締まり』、全然「向かうところ敵あり」でした。

 ちなみに『天気の子』は3週連続1位のあと、東映配給の『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』に首位を奪われたものの、その2週後にはまた2週連続で首位に返り咲いた。3週連続1位のあと、東映配給のアニメーション作品に脅かされるという、奇しくも前作と同じ状況になった『すずめの戸締まり』。果たして今週末の結果はどうなるか? それにしても、今や日本の国内興行について何かを書くとなると、アニメーション作品の話ばっかりになってしまうな。(宇野維正)

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