よく知られている1855のボルドーの格付けは、パリ万博の際、フランスワインをアピールするために、ナポレオン三世によって、左岸のメドック、グラーヴ、ソーテルヌ、バルサックを対象とし作られた。当初は全部で57シャトーだったがその後、吸収・合併、分裂などを経て現在61シャトーが格付けされている。1973年に、当時のジャック・シラク農業大臣が2級だった「シャトー・ムートン・ロートシルト」を1級に昇格する申請を承認した以外、シャトーの名称変更はあるものの、格付けの見直しは行われていない。
一方、右岸のサン・テミリオンでは1958年に最初の格付けが行われ、1986年から10年ごとに見直す現在の制度が始まった。しかし、見直しの度に、格付け制度をめぐりさまざまな裁判が行われ、格付けの正当性をめぐる議論が続いている。また、1855年の格付けが、当時の販売価格を基準に高い順に五つにランク付けしたのに対して、サン・テミリオンの格付けは試飲評価、畑の潜在性、メディアでの評価、醸造設備などさまざまな評価軸を基にしており、これが紛争の原因の一つになっている。今回は、さまざまな議論を経て、試飲評価に重点を置くことが確認されているが、ワインツーリスムの観点などから、シャトーのレセプション、駐車場の整備なども評価の一部となっている。今回、グランクリュ・クラッセAに昇格するとみられる「シャトー・フィジャック」は、シャトー前の庭に、電気自動車用のチャージャーを備えた機能的で大変美しい駐車場作っている。
風景に溶け込んだ「シャトー・フィジャック」の駐車場。電気自動車のチャージャーも設置されている
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新たに作られた「シャトー・フィジャック」のレセプションと試飲ルーム
2012年に発表された格付けシャトー
ちなみに、前回2012年のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセＡは「シャトー・アンジェリュス」「シャトー・オンゾンヌ」「シャトー・シュヴァル・ブラン」「シャトー・パヴィ」の4シャトー。プルミエ・グラン・クリュ・クラッセBは以下の14シャトーだ。
「シャトー・ボーセジュール」
「シャトー・ボーセジュール・ベコ」
「シャトー・ベレール・モナンジュ」
「シャトー・カノン」
「シャトー・カノン・ラ・ガフリエール」
「シャトー・フィジャック」
「クロ・フルテ」
「シャトー・ラ・ガフリエール」
「シャトー・ラルシ・デュカス」
「シャトー・ラ・モンドット」
「シャトー・パヴィ・マカン」
「シャトー・トロロン・モンド」
「シャトー・トロットヴィエイユ」
「シャトー・ヴァランドロー」
グラン・クリュ・クラッセは以下の64シャトー
「シャトー・ラロゼ」
「シャトー・バレスタール・ラ・トネル」
「シャトー・バルド・オー」
「シャトー・ベルフォン・ベルシエ」
「シャトー・ベルヴュ」
「シャトー・ベルリケ」
「シャトー・カデ・ボン」
「シャトー・カップ・ド・ムルラン」
「シャトー・ル・シャトレ」
「シャトー・ショーヴァン」
「シャトー・クロ・ド・サルプ」
「シャトー・ラ・クロット」
「シャトー・ラ・コマンドリー」
「シャトー・コルバン」
「シャトー・コート・ド・バロー」
「シャトー・ラ・クスポード」
「シャトー・ダッソー」
「シャトー・デステュ―」
「シャトー・ラ・ドミニク」
「シャトー・フォジェール」
「シャトー・フォリ・ド・スシャール」
「シャトー・ド・フェラン」
「シャトー・フルール・カルディナル」
「シャトー・ラ・フルール・モランジュ」
「シャトー・フォンブロージュ」
「シャトー・フォンプレガード」
「シャトー・フォンロック」
「シャトー・フラン・メーヌ」
「シャトー・グラン・コルバン」
「シャトー・グラン・コルバン・デスパーニュ」
「シャトー・グラン・メーヌ」
「シャトー・レ・グランド・ミュライユ」
「シャトー・グラン・ポンテ」
「シャトー・ギュアデ」
「シャトー・オー・サルプ」
「クロ・デ・ジャコバン」
「クーヴァン・デ・ジャコバン」
「シャトー・ジャン・フォール」
「シャトー・ラニオット」
「シャトー・ラルマンド」
「シャトー・ラロック」
「シャトー・ラローズ」
「クロ・ラ・マドレーヌ」
「シャトー・ラ・マルゼル」
「シャトー・モンブスケ」
「シャトー・ムーラン・デュ・カデ」
「クロ・ド・ロラトワール」
「シャトー・パヴィ・デュセス」
「シャトー ペビ・フォジェール」
「シャトー・プティ・フォリ・ド・スタール」
「シャトー・ド・プレサック」
「シャトー・ル・プリウレ」
「シャトー・キノー・ランクロ」
「シャトー・リポー」
「シャトー・ロシュベル」
「シャトー・サン・ジョルジュ・コート・パヴィ」
「クロ・サン・マルタン」
「シャトー・サンソネ」
「シャトー・ラ・セール」
「シャトー・スタール」
「シャトー・テルトル・ドーゲイ」
「シャトー・ラ・トゥール・フィジャック」
「シャトー・ヴィルモリーヌ」
「シャトー・ヨン・フィジャック」
