2年連続の夏の甲子園優勝を狙える戦力になってきたと言っても過言ではない。今回はそんな智辯和歌山を訪問した。今年は大阪桐蔭の連勝を止めたことで大きく話題となったが、そこにはある改革があった。
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・さらに進化を遂げる智辯和歌山。思考力が高い高ポテンシャルの選手をどう育成しているのか?【前編】
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智辯和歌山の練習模様
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智辯和歌山の選手はグラウンド上では豪快なプレーを見せる選手が多いが、近年では思考力が高い選手が出てきている。それこそが智辯和歌山の選手たちの高いパフォーマンスにつながっている。
黒川 史陽内野手(楽天)らがいた19年世代は野球ノートを付け始めた世代で、日々の練習の振り返りをノートにまとめてきた。ただ、それだけではなく、中谷監督への質問も綴った。そういうやり取りを1年間、そして3年間やり抜いていくと、上辺だけではない思考力を持った選手に育っていく。19年のエース・池田 陽佑投手(立教大)の高校3年時の取材では、細かい技術的なポイントに気づいて、修正を行い、140キロ後半まで到達した話をしてくれたが、日頃から考えて取り組む習慣がなければ、技術的に突き詰めることはできないし、急激な成長もできない。
また、イチロー氏が訪問した時、大きな話題となったが、個人的に感心したのは、20年の主将であった細川 凌平内野手(日本ハム)が積極的に質問をしていたことだ。20年1月、細川を取材した時、攻守のプレーに対して、根拠を持って説明できていたのが印象的であった。だからイチロー氏に質問した姿は細川らしさが出ていた。
こうした思考力の高い選手たちが集まったからこそ、安定した全国での実績、甲子園優勝につながった部分もあるのだろう。中谷監督に話ができる選手が多いと触れると、「そうやって言ってもらえるのはとてもありがたいことです」と語る。
ビノベーションレポートの導入
中谷監督としては野球を通じての人間教育で、さらに学びを入れたいと今年3月からビノベーションレポートの導入を行った。
このレポートは140項目の質問に答えることにより、人が生まれ持つ資質を14軸2対28項目に分類・データ化するもの。自分は外向的なのか、内向的なのかが分かり、自分を客観視できるもので、中谷監督の考えにマッチするものであった。