感動のシーンだったはずが、視聴者はすっかり白けていたというこの場面。そんな役を演じさせられる黒島結菜と宮沢氷魚もなんとも気の毒だが、実はこの場面にはちょっとした「伏線回収」も隠されていたというのだ。
もはや視聴者のほうは大した興味も抱いてなさそうだが、その伏線は本作で最も好評だったと言われる、暢子ら4きょうだいの幼少期に張られていたというのである。
それは4月22日放送の第10回にて、小5の暢子(稲垣来泉)と中3の和彦(田中奏生)が、海岸沿いの崖の上でシークワーサーの樹を見上げている場面だった。当時、父親の賢三を亡くしたばかりだった暢子は、東京の親戚(大叔母の大城房子=原田美枝子)に引き取られることに。「本当にいいのか? 後悔しないか」と気遣う和彦に暢子は「ありえん」と強がるも、和彦は「だったら俺が守ってやる。東京に来たら俺を頼りにしろ」と、中3なりの男気を示していたのである。
「ここで暢子は『ねえ…手ぇ繋いで帰ろう』と和彦の手を握ることに。恥ずかしがって手を振り払う和彦でしたが、小5当時から暢子は周りの男を惑わせる魔性の女ぶりを発揮していたのです。そこから14年の歳月が流れ、お互いに大人になった二人。今度は和彦から暢子の手を握り、二人はキスを交わしました。こうやって14年前の伏線を、晴れて回収することになりました」(前出・テレビ誌ライター)
14年前も今回も、二人は父親の賢三がいるであろうニライカナイを望む海を見ていた。今ではそこに、和彦の父親である史彦(戸次重幸)もいるはず。それぞれの父親に見守られながら、幸せになることを誓った二人。視聴者としてはもうこれ以上、ドタバタ劇が続かないようにと祈るばかりだろう。
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