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ルイ13世のシャトー訪問から今年で400周年。南仏のベルサイユ宮殿と称される「シャトー・ド・ペノティエ」

ワイン王国

ニコラ・ド・ロルジュリル夫妻と4人の子供たち

ニコラ・ド・ロルジュリル氏は1987年にシャトー・ド・ペノティエを相続すると、率直で粘り強い奥さんのミラン・ド・サン・シャルムさんの力を借り、このシャトーの400年の歴史と価値をより確かなものにするための事業に取り掛かった。特に、先代が着手したブドウ栽培を発展させ、ラングドックのワインの価値を高めることが必要だと考え、質の確かなテロワールを見つけ次々に取得し、ワイン生産を拡大。同時に、2006年から3年をかけてシャトーを大改修し、パリの高級ホテルも羨む、伝統的なフランスのシャトーの雰囲気を残す24室の寝室を持つ素晴らしいシャトーに蘇らせた。

24室の寝室は伝統的な家具調度が設えられ、パリのパラスにも匹敵するシックな作りだ

夫妻はシャトーを単なるホテルとして運用することは望まず、結婚式を始めとするさまざまな祝賀行事、企業セミナー、ディナー会場として貸し出だすとともに、貴重な歴史遺産であるシャトーと庭園を一般公開することにした。歴史建造物に指定されているシャトー・ド・ペノティエには年間5万人が訪れラングドックの観光名所の一つになっている。

ニコラ・ド・ロルジュリル夫妻、「シャトー・ド・ペノティエ」のカバルデスのブドウ園にて

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シャトー・ド・ペノティエが持つブドウ園は、大西洋気候と地中海性気候が交じり合うユニーク場所にあり、シラー、グルナッシュなどフランス南部の品種とともに、メルロー、カベルネなどのボルドーの品種も使われている。

所有するブドウ園は、拠点である「シャトー・ド・ペノティエ(AOPカバルデス)」に加えて「シャトー・ド・シフル(AOPフォジェール、サン・シニアン、ラングドック)」「ドメーヌ・ド・ガリル(IGPシット・ド・カルカソンヌ)」「シャトー・ド・コネット(AOPラングドック)」「マス・ド・モンターニュ(AOPコート・ド・ルシヨン・ヴィラージュ」「ドメーヌ・ド・ラ・ボリ・ブランシュ(AOPミネルヴォワ・ラ・リヴィニエール)」がある。

栽培家とのコラボによるネゴシアン部門の活動も活発で、多様な品種を使い、IGPを含むさまざまなアペラシオンを生産している。

長年、「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」の生産ディレクター、パトリック・レオン氏の指導を受けてきた、2019年からは栽培コンサルタントとしてステファン・ドゥルノンクール氏を招聘。ビオ栽培を取り入れ一層テロワールを重視したエレガントなワインを目指している。

「シャトー・ド・ペノティエ」から歩いて5分ほどの場所に建設された醸造所

ロゼの生産はこれまで、わずかだったが、2020年に『オー・ド・ロゼ』『シャトー・ド・コネット・ロゼ』『ラ・プテット・ロゼ・デテ(ビオ認証)』などをリリースし大きく伸ばした。当初はセニエ方式で作っていたが、徐々にプレス方式に代えて質を上げ、現在8種類のロゼをそろえている。プロヴァンススタイルの薄い色合いで、ほとんどは早い時期に瓶詰し、フレッシュさを楽しむロゼだ。

400周年に記念事業として、庭園に100本の樹木を植えることになっている

パリの国際弁護士事務所で働いたミラン・ド・ロルジェリルさんは結婚後、先代からブドウ栽培とネゴシアンの活動受け継いだ

400周年記念ボトル

「メゾン&ドメーヌ・ド・ロルジュリル」の社長で、ネゴシアン部門、ブドウ栽培部門を管理する奥さんのミラン・ド・ロルジェリルさんは法学部の出身。パリの国際弁護士事務所で働いた後、ニコラ・ド・ロルジュリル氏と結婚し、先代から受け継いだブドウ栽培とネゴシアンの活動に関わるようになった。

ワインビジネスを学ぶためにシュズ・ラ・ルースのワイン大学に入学し、コスティエール・ド・ニームのシャトー・ド・ラ・チュイルリでワイン造りを研修。自然な物腰で強いイメージはないが、芯が強く貴族のスタイルを持つニコラ・ド・ロルジュリル氏を補完し、一貫してシャトーのワインビジネスを支えてきた。2018年に女性として初めて、ラングドック・ワイン委員会(CIVL)の会長に選ばれ、ラングドックワインのイメージ刷新に務めるなど、ラングドックのワイン発展に強くかかわっている。

全売上の20パーセントはワインツーリスムなどワイン販売以外の事業によるもの

シャトーから500メートルほど離れた、かつての羊小屋跡にシャトー・ド・ペノティエの近代的な醸造所があり、二階部分は充実した試飲ルームになっている。ワイン観光にも力を入れており、醸造所に隣接して、ワイングッズの販売店、120席のレストラン「ラ・ターブル・ド・シャトー」がある。

シャトーから500mほど離れた場所に自然に囲まれた近代的な設備を備えた醸造所がある

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