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【現実ではどう?】美人な筋肉女子芸能人が「キン肉バスター」をかけている姿

テリーマンとふたりで技をかけていたのに…

 1979年から連載が開始され、2011年からの続編も好評な超人プロレスマンガ『キン肉マン』で、主人公・キン肉マンが使う必殺技でも印象深いのが、「キン肉バスター」でした。相手の体を逆さにして、自分の肩の上に相手の首を置き、自分の両手で相手の両足をつかんだまま、飛び上がる技です。そのまま着地すると、股裂き、首折り、背骨折りの全てが一度に発生し、相手に大ダメージを与えるという必殺技なのですが、この技には不思議な点があります。

 キン肉マン(1m85cm)を体格で大きく上回る、バッファローマン(2m50cm)やネプチューンキング(2m90cm)に対しても、キン肉バスターをかけられているということです。

 キン肉マンがネプチューンキングに技をかけるのは、比率で言えば身長110cmの小学1年生が、173cmある大人に技を仕掛けるのと同じです。実際、劇中ではネプチューンキングはあまりにも大きいため、テリーマンとふたりで持ち上げて「ダブルキン肉バスター」をかけたほどでした。

「ダブルキン肉バスター」時のキン肉マンの大きさから見て、単独でネプチューンキングを持ち上げられたとしても、相手の広げた両足に自分の両手が届かないため、技をかけられないと考えられます。仮に、手が届いたとしても、320kgもあるネプチューンキングの巨体が、自分の肩にかかるわけですから、着地したら技をかけたキン肉マンが大ダメージを受けそうです(というか、キン肉バスターをかけながら、相手の股を下に向けてそのまま落下した方が、ダメージがずっと大きくなると思うのですが……)。

 しかし、実際にはそんなことはありません。「夢の超人タッグ編」の最後で、キン肉マンはネプチューンキングにキン肉バスターを仕掛け(ネプチューンキングが小さくなっているようにも見えます)、テリーマンのキン肉ドライバーと合体したマッスルドッキングで勝利を収めるのです。

 また、キン肉マンが、はぐれ悪魔コンビにマッスルドッキングを決めた際には、ネプチューンキングより巨体のサンシャイン(3m)にキン肉ドライバーをかけていますから、相当な体格差でも技をしかけることは可能と思われます。

 なぜ技が仕掛けられるのか。その答えは、「キン肉マンがちょっと巨大化しているから」ではないでしょうか。キン肉マンは連載初期は巨大化し、飛行能力や必殺光線も使って怪獣と戦っていました。プロレスとなってからは、露骨な巨大化をすることはありませんが、そうした能力自体が今もあることは「完璧超人始祖編」で「飛行」していることでわかります。

 つまり、超人レスリングのルールで「巨大化」と「光線」「飛行能力」が禁止されているということなのでしょう。とはいえ、プリズマンは普通に必殺の威力を持つレインボーシャワーを撃っているので、「光線はありだけど、弱いので初期に使っていたキン肉フラッシュや、キン肉ビームは使わない」だけなのかもしれませんが(アイアロの杖やフェイスフラッシュは使っていましたし)。

 そして超人レスリングの試合を成立させるために、その超人の必殺技についてのみ「巨大化への制限が緩和」されているのではないでしょうか。「必殺技技をかけるための、ある程度の巨大化は反則ではない」か、もしくは「5カウントまでは反則を取らない」というプロレスのルールが適用されて、技をかけるための若干の巨大化は不問なのかもしれません。

 飛行能力については「空を飛んでレスリングする」のはダメだけど、「落下技の速度を増して、着地のダメージを大きくするために、地面に向かって飛行能力を使う」のはありなのだと考えられます。

 それは、キン肉マンが「火事場のクソ力」を発動させることで、キン肉ドライバーの落下速度がアップする描写があるため、超人の落下技は、単なる重力による自然落下ではないと考えられるからです。逆に、「ロビン・スペシャル」は着地したタイミングで、相手に対してのみ上向きの飛行能力を放つことで、自分の両足に相手の首を深く食い込ませて、ダメージを増やしているのかもしれません。

 そのため、キン肉バスターとキン肉ドライバーが合わさった「マッスルドッキング」とは、「キン肉マンが若干巨大化してネプチューンキングに技をかけ」「飛行能力で自分の落下速度を上げることで、テリーマンのキン肉ドライバーに追いついて合体」「その上で、ふたりの飛行能力でさらに落下速度を上げてマットに激突」という技なのでしょう。

 キン肉バスターで巨大なネプチューンキングの体重がかかっても、キン肉マンがそれでダメージを受けていないのは、飛行能力で、ネプチューンキングの体を上に飛ばして、重量を軽減しているか(股裂きのダメージが増えますし)、肉体自体は「巨大化した際の強度」が備わっているため、単純な重さだけではそれほどのダメージを受けないということなのかもしれません。

 ちなみに「試合中の格闘を有利にするため」でなければ巨大化していいというルールがあることは、キン肉マンが自分の体を鍵にして、アポロンウィンドゥをロックした際の描写で推察できます。最初は小さかったキン肉マンが、アポロンウィンドゥを形成している前方後円墳と大差ない大きさになっているからです。ここの巨大化も反則かもしれませんが、5カウントまでは見逃されている、という可能性もあります。