ことあるごとに話を遮る牧野つくし。画像はDVD『花より男子』のパッケージ(東映)

【画像】話聞かない場面でもカワイイ! いろんな国の『花男』実写版の牧野つくしを見る(6枚)

ちゃんと話を聞いてやれーッ!

 子供の頃に見ていたアニメやマンガなどの作品は、大人になってから改めて見ると、また違った印象を受けることがあります。子供のときには気づけなかった魅力を再発見したり、逆に子供のころは何とも思わなかった人物に対してものすごくイライラしてしまったりすることもあるでしょう。今回は、魅力的ですがたまにイライラさせられたという声も多い、「話聞かない系ヒロイン」たちを振り返ります。

『めぞん一刻』音無響子

 長年愛されるラブコメの名作『めぞん一刻』(著・高橋留美子)の音無響子といえば、今なお「理想の女性像」として取り上げられることも多いヒロインです。しかし、大人になって見る響子はかなり嫉妬深く、一度機嫌を損ねるとまったく話を聞かない女性であることがわかります。

 たとえば「一刻館」の住人である五代裕作と六本木朱美がホテルに行った……というウワサを耳にした際も、響子はまったく五代の言い分を聞こうとしませんでした。実際はホテルで酔っぱらった朱美を五代が迎えに行っただけなのですが、響子は「あんたなんか大っっっ嫌い」「も~~~おいいです」とまるで聞く耳を持たず、しまいには泣きながら店を飛び出してしまいます。このエピソードでは朱美が「あんたみたいな面倒くさい女から男とるほど、あたし物好きじゃないわよ」と、痛烈な一言を浴びせました。

 五代にガールフレンド・七尾こずえとの婚約疑惑が浮上したときも、同じようなことが起きています。響子はたちまち不機嫌になり、五代がいくら「婚約なんてデマですよ」と訴えても信じようとしません。おまけに五代が持っていた傘もこずえの物だと勘違いし、いくら違うと説明しても頑なに入ろうとせず、ようやく話を聞き入れたかと思えば「なによ……それならそうと言えばいいのに……」「バカみたい」と心のなかで呟く始末です。

 こずえは高橋留美子先生の公式Twitterで「響子の心をざわつかせる存在でしたね。こずえなりの話の持っていき方といいますか、『大切なことを言わせない』術は描いてて楽しかったです。」と紹介されるようなキャラだったため、特に響子の心をかき乱しています。

 しかし、そんな思い込みの激しいところも彼女の魅力のひとつなのでしょう。ネット上では、「響子さんはマジで気が強いし、わがままだし、話も聞かないけど好きになっちゃうのよね」「話聞かないうえに怒りっぽいけど、それでも響子さんが何より愛おしいんだよな」といった声が多く寄せられていました。

『花より男子』牧野つくし

 マンガ『花より男子』(著・神尾葉子)は井上真央さん主演の実写版ドラマも話題となり、日本中に「花男」旋風を巻き起こしました。貧乏女子高生・牧野つくしと、道明寺司率いる「F4」が繰り広げたシンデレララブストーリーに、胸をときめかせた人は少なくないでしょう。ただそんな女子たちの憧れであったつくしも、実は「話聞かない系ヒロイン」のひとりでした。

 多くの人がつくしにイラッとしたエピソードのひとつとして、単行本9~10巻にかけて描かれた天草清之介とのデート回が挙げられます。清之介は実写ドラマには登場しないキャラクターで、毎日バイトしていることからつくしは彼を勝手に「自分と同じ貧乏な家庭の人間」だと思い込んでいました。

 しかし、清之介の正体は代議士の息子で、かなりのセレブです。デート中に彼は何度もそのことを話そうとしますが、つくしは話を遮ってばかり。「俺の家のことなんだけど……」とようやく話を切り出せたかと思いきや、つくしは「言わなくてもいいのよ わかってるって」「だって同じ激貧じゃないっ」と一方的に話を進めてしまいます。しかも道明寺の口から彼の正体が明かされた際には、「うそついてたの?」「同情してたの?」「あたしんち激貧だからって」と「被害者ヅラ」する始末です……。

 思い返せばつくしが話を聞かなかったせいで、事態が余計にややこしくなる展開は多々ありました。彼女が魅力的なヒロインであることに変わりはありませんが、大人になってから見るつくしに少しイライラしてしまう読者も多いようです。



そもそも「ガンダム」ヒロインはくせ者揃い? 画像は『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』14巻(KADOKAWA)

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話を聞かない「ガンダムヒロイン」といえば?

『機動戦士Zガンダム』ファ・ユイリィ

 アニメ『機動戦士Zガンダム』のファ・ユイリィは、主人公であるカミーユ・ビダンの幼なじみです。当初は同じ学校に通っていた普通の女の子でしたが、後にエゥーゴのモビルスーツパイロットとなっていたカミーユと再会を果たした後は、自分もパイロットとして志願します。

 彼女はカミーユへの愛が深いゆえに嫉妬深く、話を聞かないヒステリックな女の子でもありました。幼なじみであるカミーユの話を聞かないだけならまだしも、上官からの命令を無視する場面もあります。アニメ第23話では引き上げ命令を聞かなかった挙げ句、闘いで成果を上げられませんでした。それでもカミーユが優しく接してくれたのにもかかわらず、ファは「なんで殴らないの? 私は引き上げ命令を聞かなかったのよ。お世辞のような優しさはいらないわよ!」と怒りを見せています。

 ネット上には「ファは命令を無視しすぎ」「心配になる」「不良から更生したカミーユがマシに見えるくらいファが自分勝手」「てかガンダムのヒロインは話聞かない奴が多すぎるのよ」といった声もが上がっていました。

 話を聞かないのはヒロインたちだけではありませんが、そういったキャラがいるからこそ、ストーリーの展開が盛り上がります。彼女らに対するイライラも含めて、物語の面白さなのかもしれません。