最終決戦では、頭部の一部や右腕、右脚などを失ったフリーダムガンダム DVD版『機動戦士ガンダムSEED Vol.13』(バンダイビジュアル)

【画像】ボロボロだからこそカッコいい! 損傷シーンが目を引いたガンダム機体(4枚)

傷ついたガンダムの姿に惹かれる?

 無傷のまま敵を圧倒するガンダムの活躍のカッコよさは言うまでもありませんが、敵の攻撃を受けて傷ついた姿での活躍に心惹かれるという人も少なくありません。ガンプラなどで、あえて損傷した機体を再現するファンもいるほどです。

 初代『機動戦士ガンダム』の最終話では、左腕と頭部を失ったガンダムが、上方のジオングに向かってビーム・ライフルを放つ場面があります。このインパクトあふれるポーズはファンの心に刻み込まれ、「ラストシューティング」と呼ばれて愛されています。

 そして以後の『ガンダム』作品でも、たびたびガンダムがボロボロに傷つくシーンが登場し、多くのファンを魅了しています。

『機動戦士ガンダムSEED』に登場した「エールストライクガンダム」は、劇中で仲間を守って爆散するシーンが印象的だった機体です。

 戦艦ドミニオンが、旗艦アークエンジェルに向けて陽電子砲「ローエングリン」を放った際、ストライクに乗るムウ・ラ・フラガは身を挺して艦を守ります。

 このときストライクは、ここに至るまでにプロヴィデンスと激闘を繰り広げ、左脚と右腕を失うなど満身創痍の状態でした。そのうえで決死の覚悟でアークエンジェルの盾となり、絶体絶命の危機を救った献身的な姿は、多くの視聴者の感動を呼びました。

 さらにTV版『ガンダムSEED』のエンディングの背景には、ボロボロになった機体が多数描かれています。頭部や胸部だけになった機体の残骸や、胸部にソードが突き刺さった機体などの映像が流れ、目を引きます。

 またTVアニメ『機動戦士ガンダム00』2期の1話に登場したガンダムエクシアは、前期の最終話で負った損傷を簡易的に修復した状態で現れます(ガンダムエクシアリペア)。

 失った左腕を隠すようにマントで覆い、右眼のカメラも代用品で間に合わせただけの補修、さらに武装の多くも失われていました。

 完全な状態のエクシアとは程遠い見た目でしたが、逆に「エクシアリペアってボロボロなのがかっこいい!」といった声があがるほど人気を博します。

 そして同作の最終回で激闘を繰り広げたケルディムガンダムも、ボロボロの状態から勝利をおさめて人気を集めた機体です。

 2代目ロックオンこと、ライル・ディランディの駆るケルディムガンダムは連戦続きで、頭部の一部、左腕、右脚をはじめ、あちこちが損傷した状態でした。そのうえトランザムの稼働時間も残りわずかという絶望的な状況に追い込まれますが、残り1秒しかないトランザムを効果的に活用し、敵のガデッサを撃破するのです。

 この逆転劇に、ファンからは「ケルディムはボロボロの姿が似合う」「ボロボロになりながらもトランザムしたところに心躍った」などの称賛の声があがっていました。

 ストライクフリーダムガンダムのような圧倒的な無双シーンは見ていて爽快ですが、大きく損傷した機体が最後の力を振り絞って一瞬の輝きを見せるような展開には、グッとくるものがあります。