スタジオジブリのアニメ版にはなかった物語の続きが原作コミックに描かれている (C)2005-2022 STUDIO GHIBLI Inc.

【画像】ナウシカがママになる? 『風の谷のナウシカ』原作版にあった衝撃事実(4枚)

宮崎駿氏の原作コミックに描かれたディープな世界観

 スタジオジブリ作品のなかでも根強い人気を誇る『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿氏が自ら描いたマンガが原作です。そのコミック版は全7巻あり、劇場アニメには登場しなかった世界観や設定なども詳細に描かれています。

 アニメではナウシカの家族構成まで詳しく描かれませんでしたが、原作コミックではナウシカは10人の兄姉がいる末っ子であることが明かされています。しかし、10人もいたはずのナウシカの兄や姉たちは全員生きておらず、腐海の毒が原因で死んでしまったと推測できる描写がありました。

 そのためにナウシカが風の谷の次期族長にならざるをえなかったワケですが、この兄姉のエピソードは映画版では明かされていないので、あとから原作コミックを読んだファンに衝撃を与えました。

 また、原作コミックの最終巻にあたる第7巻では、ナウシカが旧世界の人類が創造した人工の神である1体の巨神兵に「オーマ」と名づけ、オーマもナウシカのことを「ママ」と呼んで慕う姿が描かれています。

 これは起動したばかりの巨神兵がナウシカのことを母親と認識したことによって生じた関係性でした。そして、旧世界の遺跡である「墓所」に諸悪の根源があると悟ったナウシカは、オーマを連れて墓所に向かうというエピソードがあります。

 自分のことをママと慕うオーマに困惑しながらも母親役を演じるナウシカの葛藤、そしてオーマが急激に知性を持ち始めたことで物語は急転するのです。

 このアニメ映画では見られなかった展開に、ファンからは「ナウシカは母親に愛されなかったから、オーマのことも本当に愛することができなかったのでは」「ナウシカがオーマの母を演じる罪悪感はあったと思う」など、さまざまな反響がありました。

 なかには「ナウシカがオーマとともに過ごす時の表情が一番好き」といった声もあり、オーマとのエピソードを作品の魅力に挙げるファンも少なくありません。

『風の谷のナウシカ』の原作コミックは、アニメ映画版に比べて少し内容が難しいという声もありますが、『ナウシカ』の世界観や設定をより深く知ることができます。原作の全7巻を読破してからスタジオジブリのアニメを見返すと、新たな発見があるかもしれませんね。