最後にして最新の、「オリジナル・サンバー」

6代目サンバーの乗用5ナンバー登録ワゴンは、「ディアスワゴン」を名乗った

2023年現在も「スバル サンバー」という名の軽1BOX/軽トラックは販売されており、昔のように赤帽仕様すら存在するものの、スバリストならずともクルマ好きにとってのサンバーといえば、2012年までスバル自身が生産していたオリジナル・サンバーでしょう。

最後となった6代目は軽トラや軽1BOX車がレジャー向けにもカスタムベースとしても最盛期を迎えようとする、まさにその頃に生産終了という憂き目にあってしまったものの、未だに数多い愛好家にとっては「最後にして最新車種」。

MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが興味を持つ名車」にノミネートされるのも、当然過ぎるほどでしょう。

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スーパーチャージャー車は軽トラ最速だった!

58馬力の圧倒的パワーで軽トラ最速を誇った、サンバートラックTCスーパーチャージャー

1998年10月に軽自動車は現在まで続く「新規格」へ移行、小型車同様の衝突安全性能を満たすためサイズアップで大きくなり、フルキャブオーバータイプの軽1BOX/軽トラもボンネット追加によるセミキャブオーバー化かフルキャブオーバー維持かで対応が分かれます。

1999年1月に6代目へとモデルチェンジしたサンバーは、ごく短いノーズ部分が追加されたとはいえ、基本的にはフルキャブオーバーを維持したクチで、前席足元を避けるような前輪配置も不変でしたから、小回り性能も確保して従来通りの使い勝手を維持しました。

乗用登録となった1BOXワゴンの「ディアスワゴン」をベースにした「ドミンゴ」後継車こそ作られなかったものの(そもそもドミンゴ用の1.2リッター直3エンジンが古すぎ、後継機も作られなかった)、ディアスワゴンクラシック含め、サンバーらしさは健在。

もっとも象徴的だったのはスーパーチャージャー車がバン/トラック含め残っていたことで、特に軽トラックの過給機つきエンジンは、新規格だとスズキのキャリイターボが短期間設定されたくらいです。

そのため、新規格移行直後に某自動車雑誌が行った「軽トラ最速テスト」では、2位のダイハツ ハイゼットトラックDOHCエンジン搭載車(EF-VE・48馬力)を、58馬力のスーパーチャージャーエンジンを積むサンバートラック4WDが軽々とブッチぎりました。

あくまでオーバルコース勝負でしたが、「サンバースーチャーの軽トラ最強伝説」は、新規格でも証明されたのです。

「そしてスバルだけが残った」結局、1990年代のワゴンブームとはなんだったのか?今後再燃はあるのか【推し車】