原因その1:ISCVの不調
ISCVとは
ISCVはアイドリング時の回転数を制御する部品です。昔ながらのスロットル・ワイヤーでスロットルを開閉する車両のスロットルバルブに装着されています。スロットルボディとの間にバルブパッキンを1枚挟んでISCVアッセンブリーをボルト留めしています。
スロットルバルブ手前にあるISCVバイパスを経由してISCVへ空気が流入します。ISCVバルブはスロットルバルブが開いている時には閉じ、逆にスロットルバルブが閉じた時に開いて燃焼室へ空気を送ります。
アイドリング時の回転数を安定化させるためのISCVが本来の性能を果たせなくなることでハンチングが発生するというわけです。
不調の原因と対処方法
ISCVの不調の主な原因はカーボン蓄積による汚れで、アイドリングが安定しない時の原因のほとんどはISCVと話す人もいます。
そのため対処方法は、ボルトで固定されているISCVを取り外して汚れを落とすという、いたって単純なものです。ジャッキアップをせずとも交換できるパーツですが、エアクリーナーを取り外す手間がかかったり、ISCVを固定するボルトが狭いところにあって取り外しに手こずる可能性はあります。
取り外すとISCVの先端がカーボンで黒く汚れているので、パーツクリーナーあるいはスロットルバルブクリーナーなどを使用して洗浄します。
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原因その2:スロットル・バルブやスロットル・ボディの不調
スロットル・バルブとは
スロットル・バルブはその開閉を通じて燃焼室への吸気量を増減させる部品です。その役割ゆえにアクセルペダルに連動してバルブの開閉が行われ、ISCVとは異なる役割をになっています。
スロットル・バルブやセンサーなどのパーツを全て合わせてパーツ全体をスロットル・ボディと呼ぶため、混乱して間違えて理解しないように注意しましょう。
スロットル・バルブやスロットル・ボディにもISCVと同様にカーボンの汚れが付着しやすく、走行距離の増加とともに汚れが増すことが多いです。これがハンチングを引き起こす原因になることもあります。
スロットル・バルブやスロットルボディ不調時の対処方法
スロットル・バルブ不調の対処方法はいくつかありますが、主要な方法の1つはISCVと同じく取り外してカーボン汚れを落とすことです。
この時の注意点として、スロットル・バルブやスロットル・ボディにあるモリブデンコーティングを落とさないようにしましょう。モリブデンコーティングはスロットルバルブの気密性を保つために施されるもののため、これを取り除くと解決どころか症状が悪化する危険があります。使用する洗浄剤がモリブデンコーティングを落とさないかどうかを確かめましょう。ワコーズ社のスロットルバルブクリーナーが定番のケミカルです。