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パワポ制作に愚痴聞き…ウィズコロナを生き抜く「副業」10

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『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者で公認会計士・税理士の山田氏は、そう話す。このほど、自らの体験も踏まえ、世の中のさまざまな副業をまとめた『儲かる副業図鑑』を上梓。山田氏自身が実践したところ、うまくいかなかったものもあったようだ。

 

「『せどり』『アフィリエイト』『ポイントサイト』など、誰にでもできるようなことは試しましたが、僕は大雑把で飽きやすい性格なので、これらは向いていなかった(笑)。ただ、(1)ネットオークションは、今でもおすすめの副業のひとつです。

 

 この副業の本を出版しようと決めたのは、2019年の夏ごろ。コロナ禍で状況が一変し、掲載する仕事の種類も変えました」

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 その最たるものが「ウーバーイーツ」だという。

 

「コロナで一気に増えましたね。ウーバーイーツで、月に数十万円儲けている人もいるみたいですよ。いいスポットでいい時間帯に待機できる人や、雨の日や寒い日だけ専念する人とかは、稼げるようです。ただ、体力勝負の面もあるので、長く続けられるかといえば厳しいかもしれませんね」

 

 もうひとつ、コロナ禍で急増したのが「(2)オンライン講師」。対面が当たり前だった学校の授業や講習が、感染予防のため、画面を通じておこなわれるようになった。

 

「以前は、受講者集めから予約・受講料の管理までを自分でおこなわなければならず、手間がかかる仕事でしたが、今はマッチングサービスに一任できるので、本業や趣味で培ったスキルがあれば、簡単に講師業をスタートできます。

 

 僕も含めて40歳より上の年代の方々は、最初にどうしても学校に通おうとしてしまいがちです。でも、教育系ユーチューバーの無料配信もわかりやすく、十分学べます。今後は、オンラインの授業が普通になるはずなので、講師の仕事は増えていくと思います」

 

 とくに稼ぎがよくて人気がある、と山田氏が語るのは「(3)コンサルタント」。副業でコンサルティングをやる人は「週末コンサル」「スポットコンサル」と呼ばれ、年々増加している。報酬の形態や単価はまちまちだが、専門性の高い案件ほど額は上がる。

 

「専門知識がないと難しいと思いがちですが、そんなことはありません。たとえば人事。大企業の人事部の人が土日にほかの中小企業へアドバイスに赴いているとか。営業のコンサルも需要は高く、資料やメールの文面を作成したり、営業先のアポイント取りまで教えたりするそうです。

 

『(4)パワーポイント制作』という副業もあり、これはパワポで社内向け文書や企画書、プレゼン用の素材を制作するだけ。本業である自分の得意分野やスキルを生かせるので、副業としてできる人は多いでしょう。

 

 自分の得意分野は意外とわからないもの。まわりの人に『何ができると思う?』と聞いてみるのもいいでしょう」

 

 少子高齢化で需要が増えているのが「遺品整理」。身寄りがない人や遠方にしか親類がいない人が亡くなった際、関係者に代わって故人の遺品を整理する。稼ぎはよく、学歴や資格は不問だが、精神的なタフさが求められる。

 

 さらに、「こんなものまで!?」と驚くようなクセのある副業も。しかも想像以上に高収入だったりするそうだ。

 

「『(5)愚痴聞き屋』なんておもしろいですよね。若い人よりも、やはり年齢が高い方のほうが経験豊富で需要は高いようです。人の愚痴って、聞けば自分の勉強にもなるはずです。

 

 それから、『(6)モニター監視』。いわゆる防犯カメラの映像を注視する仕事。夜間の作業が多いので、収入は高いのです。

 

 僕がとくにおもしろいと思ったのは『(7)パズル(プラモ)製作』。パズルやプラモデルは、作る過程に楽しさがありますが、でもたとえば『1000ピースのパズルを完成させたものが欲しい』という人がいるんです。だったら絵を買えばいいじゃないかって思うんですが(笑)。

 

 そのほかに、フィギュアの組み立てもあります。ものを作ることが好きな人にとっては、楽しみながらお金になる、たまらない副業ですね」

 

副業のひとつ「パズル(プラモ)制作」

 

 今回の著書の執筆にあたり、新しく発見した仕事があって驚いたと山田氏は話す。

 

「『シーグラス拾い』なんて、本当に存在するんだと(笑)。コロナ禍で需要は減りましたが、『シェアビジネス』というものがあります。共有するものの典型は、車や住居だと思いますが、洋服などのモノ、スキルに時間と、なんでもシェア。空きスペースをシェアしてビジネスをしたり、飼い主が留守の犬を預かったりするサービスもあります。

 

 旅行者が激減したので、民泊用の空き部屋を仕事スペースとして貸し出す『テレワーク部屋貸し』といった副業も現われました。アイデア次第で、なんでも副業になり得ます」

 

 コロナ禍は、テレワークやニューノーマルなどの概念に象徴されるように、大きな社会変容をもたらした。しかし、山田氏が副業をすすめるいちばんの理由は、それではない。

 

「僕がもっとも伝えたいメッセージは、『脱会社』なんです。2019年の夏ごろ、ブラック企業に勤務して過労死するというニュースが相次ぐなか、『こうした労働問題を解決する手段こそ副業だ』と思ったのです。

 

 仕事に追われて疲弊する前に、副業を始めて広い視野を得られれば会社を辞めやすくなるし、人生も豊かなものになると私は考えています。それが今回の本の企画段階でのコンセプトでした。

 

 そこへ、コロナ禍による変化を踏まえた内容を加えました。たしかに、このパンデミックは社会の状況を、5年くらい一気に先へ進めたと言っても大げさではありません」

 

 少子高齢化による労働力不足に備え、もともと国が副業を推奨していたところをコロナ禍に見舞われた。今後、労働環境が週5日勤務の体制に戻るかというと、そうではない企業も多いだろう。

 

「人件費を減らすためにも、正社員は雇いにくくなるでしょう。そうすると企業側も、不足する部分は副業人材で埋め合わせようとする。需要と供給がマッチして、副業の市場規模は拡大すると思います」

 

 40代以上で、これから副業を始めるとしたら、どんな職種を選べばいいのだろう。

 

「目的によって変わります。確実にお金を稼ぎたいならティッシュ配り。逆に老後を考えるなら、コンサルタントやオンライン講師を目指したほうがいいです。自分の経験を生かして長く続けられます。

 

 あとは、(8)株式投資やFX投資。これは長期間やれば稼げるものなので、老後も続けるのにちょうどいい。不動産価格は基本的に急落するものではないので、(9)少額不動産投資もいいと思いますよ」

 

 山田氏が副業を始めようとする人に注意したいのが、「副業うつ」だという。

 

「自分のスケジュールをマネージメントできなくなり、時間がなくなって精神的にまいってしまう人がいます。本業も副業も完璧にやろうとする “真面目な人” が陥りやすい状況です。

 

 あくまで副業ですから、楽しみながら手を抜くぐらいの気持ちでやるのがちょうどいい。人によって向き/不向きがありますから、自分に合わないと思ったらすぐにやめて、次の副業を探しましょう」

 

 時間に追われて余裕も楽しさも失っては、元も子もない。まずは自分に合ったものを見つけることが肝心だ。そこで、山田氏からアドバイスが。

 

「これまで仕事と考えられていなかったものが、お金を得る手段になってきています。(10)ユーチューバーが、その典型。時代状況も変わるし、自分のスキルがどう生きるかは、本当にわからないものです。一度、自分に何ができそうかをじっくり考えたり、まわりの人に聞いてみたりするといいでしょう。

 

 副業は、始めたらすぐに儲かるというものではありません。小さな積み重ねが勝利につながると考えて、根気よく続けてください」

 

 隙間時間を活用する副業。地道に稼ぐことが確実な結果を生むのだ。

 

 

やまだしんや
公認会計士・税理士。芸能・エンタメ界の顧客を扱う「芸能文化税理士法人」会長。著作は『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書・165万部)、『女子大生会計士の事件簿』(英治出版・100万部)など。YouTubeチャンネル「オタク会計士ch」は、登録者数15万超

 

(週刊FLASH 2021年1月5日・12日合併号)

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