ヒールアンドトゥを身に着けよう

ヒールアンドトゥはスムーズな運転のためにもぜひとも身に着けたい技術ですが、やろうと思ってすぐにできる技術ではありません。

しかし、コツさえつかめば誰にでもできるようになります。そこでコツや気をつけるべきことを解説します。

ヒールアンドトゥの練習は上のギアから始めよう

ヒールアンドトゥを練習しようと思ったら、まずはトップギア(4速)からサードギア(3速)に落とす練習をお勧めします。これはミッションの特性もあって、上のギアの方が失敗した場合の衝撃も少なく、また急なエンジンブレーキもかかりにくいためです。

慣れてきたら、1速ずつ落としたいギアを下げていきましょう。セカンドギア(2速)からローギア(1速)にスムーズにできれば、立派なヒールアンドトゥの使い手です。

右足は柔軟に

最初のうちは足をどのように動かすのか混乱してくると思います。まずはイメージをしましょう。

右足親指の先から付け根までを意識して足先でブレーキペダルを踏み、スピードが落ちはじめたらクラッチを左足で切ります。その直後に、ブレーキを踏んでいる右足親指の付け根を軸にして、かかとをアクセルペダル側に円を描くように動かします。

そしてかかとでアクセルを踏むのですが、この時注意すべきなのはアクセルは軽く、そして、足全体でペダルを踏むのではなく、かかとを前に出すようにアクセルを踏むことです。

つま先ではすでにブレーキを踏んでいますから、足全体で踏むとさらにブレーキがかかってしまい、急ブレーキの様な状態になり車の動きが不安定になります。一定の踏力でブレーキを踏んでいられるように意識しましょう。

アクセルは適度に踏む

ヒールアンドトゥはブレーキを使う技術です。慣れないうちは、アクセルと共にブレーキを同時に強く踏んでしまうことも少なくありません。

そのため、普段街中での運転中に練習をするときは、後続車がいない場合や後続車と大きな車間距離が空いている場合を選びましょう。

また、ペダルの踏み方をペダルワークと言いますが、それに気を取られ前方不注意になるなどということは絶対にあってはいけません。練習するときはリラックスして、周辺の状況をよく見て練習しましょう。

信号待ちは最高の練習場所

運転中、信号で止まる時などはぜひ練習してください。例えばトップギア(4速)で走っていて信号で止まる時、普段ならブレーキを踏んでクラッチを切って止まり、発進する前にローギア(1速)に入れているのではないですか?もしそうであれば、今日から早速練習に切り替えましょう。

信号で止まりそうな状況になったら、ヒールアンドトゥを使ってトップギア(4速)→サードギア(3速)・・・というように、1速ずつクラッチを繋ぎながら減速しましょう。この時、車が少しでもガクンとなったら失敗です。次の信号でリベンジしましょう。

適切な靴を選ぼう

意外に見落としがちですが。ヒールアンドトゥは足が柔軟に動く必要があります。そのため、初心者にはブーツや革靴での練習は適していません。

かかとが高い靴などは、どれくらいアクセルを煽ればよいのか、微妙な調整をつけづらいからです。

選ぶべき靴ですが、本来はドライビングシューズが理想ですが、スニーカーでも問題ありません。靴を通して足の裏でペダルの感覚が捉えられるように、靴裏があまり厚くないものを選びましょう。

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ヒールアンドトゥはプロも使う技術

この技術がタイムを削る

ヒールアンドトゥはモータースポーツの世界では必要不可欠な技術です。コンマ何秒を争う世界では、ブレーキで減速してからアクセルを踏んで立ち上がるまでをいかにスムーズにするかが勝敗を握っている、と言っても過言ではありません。

そのため、レーサーはコーナー手前で減速して曲がる準備をしながら、コーナーを曲がった後のことを同時に考えます。プロにとっては当たり前の技術かもしれませんが、それは非情な勝負に勝つための努力の賜物なのです。

勝負の技術から一般の技術へ

スムーズに曲がり早くコーナーから立ち上がることでタイムを縮めるために必要な技術が、このヒールアンドトゥです。

そしてそれは、現在スムーズな運転を実現する技術として広く知られるようになりました。プロのレーサーも使う技術を自分も使えるのだとしたら、これはもう練習して身に着けるしかありませんね。

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