スキーブーツ創りに45年以上の歴史を持つイタリアのブーツメーカーROXA。ブーツ創りで世界的にも有名なイタリアのAsolo(アゾロ)を拠点とし、2000年の創業以来、研究開発からテスト・製造ラインのすべてを現在もイタリアで行っている。’24-25季の話題を、「JSP SNOW EXPO JAPAN2024」(2024年2月13-14日開催@パシフィコ横浜)で聞いてみた。

ROXAの際立つ特徴

ROXAブーツのほとんどすべてのモデルに共通しているのは、3Dプリンターを使って建築の際に使われるCADシステムで設計した構造を再現していること。ROXAもバイオフィットやサーモインナー、ウォークモードやテックピンなど、多くのブランドで採用している機能は搭載しているが、その上でROXAの際立つ特徴といえば、CADシステムで構造設計して3Dプリンターで正確に再現したモールドを使っている点だろう。

これらのもたらすものが、ROXAの3大特徴である「履きやすくて・軽くて・温かい」に繋がっている。シェルが精密に合理的に作られているので、厚みなど無駄なところが一切なく、シェル自体が非常に軽い。シェルが薄いと寒いものだが、サーモインナーを使っているので暖かく、なおかつ構造上は3ピースの「カブリオデザイ」ンでタンがが大きく開くので、とても履きやすい。

また、インナーは「BIOFITシステム」という独自の技術を持っている。シェルで一般的に当たりやすいといわれて調整が必要な部位をあらかじめ成形で出し、さらにヒートガンで出しやすい構造になっているのだ。さらに解剖学に基づいた適性なラスト幅を採用することで、正確かつ快適なフィット感も実現している。

トータルでブーツとして非常に完成度が高い「ROXA」だが、気になる’24-25季の展開を見てみよう。

(広告の後にも続きます)

R3シリーズ

R3 130 TI I.R|

バックカントリー・フリーライド向けモデル。ピンンテックつきでバックカントリーでの使用に対応。特徴的な3ピースの「CABRIO(カブリオ)」デザイン採用で、とても履きやすい。カブリオは、シェル・カフ・タンの3ピース構造を組み合わせることで、スムーズに柔軟かつ快適に足を固定しながら、素早いレスポンスを実現する。

際立つのは履きやすさだけではない。R3シリーズは、これまでのハイパフォーマンスアルペンスキーブーツシリーズの中で最軽量という。トップのフレックス130の「R3 130 TI I.R」で、わずか1,580g(1/2pair,265.cm) と、他メーカーのフリーライド向けブーツと比べると300g近く軽い。

インナーは、タンつきのインジェクションサーモインナーになっている。オーブンで焼いて履いてもらうことが前提だが、タンがあることによってターニング動作に対して、よりフィットする。フレックスのバリエーションは、ユニセックスモデルが130・120・110、レディースが115・105・95の展開。