老若男女に愛される抹茶が主役のカフェ

「Capoon抹茶製造所」があるのは、吉祥寺駅西口からゆっくり歩いて10分ほどの場所。ユニークなショップや工房などが集う中道通商店街の真ん中、鮮やかな抹茶色の旗が目印です。

「Capoon抹茶製造所」では、抹茶を敷居の高い存在としてではなく、日常のなかで親しめるものとして新しいスタイルを追求しています。メニューは自分で点てる「お抹茶」をはじめ、抹茶のスイーツ(ドリンクとのセットのみ、テイクアウト不可)、カフェドリンクに抹茶を組み合わせたスペシャリテと、まさに抹茶づくしです。

店主はバリスタの古田和貴(ふるたかずたか)さん。以前同じ吉祥寺界隈でカフェを営んでいたころに抹茶ラテの人気が高かったことから、抹茶についてもっと知りたいと思い立ち、2年かけて全国各地約30件の茶農家を訪れたそうです。世間の人気とは裏腹に、実際には抹茶のことがあまりよく伝わっていない状況に気づいた古田さんは、これだけ多くの人を惹きつける魅力があるならば、抹茶を主役にした専門店を作ってみようと決意。2020年に「Capoon抹茶製造所」をオープンしました。今では女性のみならず、男性グループからおばあちゃんたちまで、さまざまな人が訪れているお店です。

店頭にある石臼で、毎日お店で提供する分の抹茶を引いて粉にするのもこだわりの一つ。現在は乳製品との相性がとてもいいという、福岡の八女産の抹茶を使用しています。店内には茶畑や製造過程を写した写真もたくさん展示されています。

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気軽にトライ!自分でお抹茶を点ててみよう

「お抹茶」660円

「お抹茶を点てる」と聞くと、茶道などのイメージからちょっと身構えてしまいますが、ここではかしこまらなくても大丈夫。古田さんいわく「カジュアルに楽しんでもらいたい」との思いから、作法や知識の説明はなしにしているそうです。

簡単なレクチャーを受けてやってみると、簡単にお抹茶を点てることができました。まずはメジャーカップのお湯3分の1程度を茶碗に注ぎ、茶筅(ちゃせん)を使ってしっかりと混ぜていきます。難しいことは考えなくてOK。次第にきめ細かな泡が立ち、ふわりとお茶の香りが広がってきます。残りのお湯を入れたら、慣らすようにゆっくりかき混ぜます。これでお抹茶の完成です。

いただいてみると目の覚めるような濃厚さと、まろやかな苦味、奥からほのかに自然な甘みが感じられます。エスプレッソを飲むのに近い感覚です(抹茶はかつて、修行中の僧侶が眠気覚ましのために飲んでいたものでもあるのだとか)。自分で点てたという喜びと、お抹茶の味わいとを、しみじみと楽しむことができます。