但馬海岸の磯で「島打ち」土佐カブラ
これも広い意味でのメバリング?

一方、兵庫県の日本海側には古くから「島打ち」と呼ばれる釣りがある。「島」というのは但馬の言葉で「磯」のことだと思われる。

2007年に但馬海岸の三尾磯で取材したときは、磯竿にスピニングリールだったが、これも古くは長めのノベ竿を使用していたに違いない。
そして仕掛の先端は虫エサでもなくワームでもなく「土佐カブラ」という日本に古くからあるハリのチモト部分にナマリを鋳込み、鳥の羽根などのバケが付いた擬似餌を使用していた。


兵庫県の日本海側、三尾の磯で取材した「島打ち」で使用される土佐カブラ

磯からの釣りだったので常夜灯などないが、仕掛を振り込んでは中層を引くという釣り方自体は広島流探り釣りやメバリングと、まるで変わらない。また近年は、いわゆるジグヘッドにワームではなく虫エサをセットして釣るハイブリッドな方法も珍しくないので面白い。


「ジグヘッドに虫エサ」という組み合わせも近年はよく見られる

時代が変わりタックルが進化しても、釣りの根本的に大切な部分は変化することなく、連綿と受け継がれるものなのだと改めて思う。そう、昔も今もメバルはメバルなのだから。