もうすぐ節分ですが、節分には毎年何を食べていますか?
近年では全国的に恵方巻がすっかり定着しましたが、今回ご紹介するのは「節分汁」と呼ばれるもの。節分のメニューとしてじわじわと知名度を伸ばし、恵方巻のお供にも良し、豆まきの豆を美味しくいただく方法としても良しという噂の一品は、どのような食べ物なのでしょうか?
節分汁・鬼除け汁とは?
節分が近くなるとスーパーの店先にその名前が登場したり、インターネットのレシピサイトなどでよく検索されるようになる「節分汁」。それらの情報を総合すると節分汁とは、けんちん汁や豚汁など温かい汁ものに茹でた大豆を入れたもので、近年徐々に認知され作られるようになってきている節分の行事食の1つです。別名「鬼除け汁」とも呼ばれています。
節分汁に込められた意味とは?
節分の豆は「魔(を)滅(する)」に掛けて邪気を祓うとされています。また、節分は旧暦では大晦日にあたり、歳の数に新年の分を一つ足した数の豆を食べると、翌年一年は病気知らずで幸福が訪れるといわれています。
昔は家の中にまいた豆を拾い、頑張って何十個も頬張る光景がよく見られましたが、乾いた豆をたくさん食べると口のなかはパサパサ。あまり多く食べるのは大変です。そこで、水煮大豆か蒸し大豆を汁物にトッピングすることで食べやすくしようというアイデアが広まったのが、節分汁の由来のようです。
節分汁には何を入れる?
節分汁のレシピは地方や家庭によってもさまざまであり、大豆が入る以外は特に決まりがないようです。もともと節分には、けんちん汁を食べると縁起がよいという説があるため、けんちん汁に大豆を載せるか、簡単に作れて体が温まる豚汁に大豆を載せるかのどちらかがほとんどといえます。
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けんちん汁と豚汁の違いは?
けんちん汁は、一説には鎌倉の建長寺のお坊さんによって作られた精進料理で、野菜をごま油で炒めてから煮込み、しいたけや昆布から取ったダシに醤油ベースで味付けした、すまし汁の1種とされます。また、「建長寺の汁」がなまって「けんちん汁」になったともいわれています。
豚汁は主に豚バラ肉を使い、炒めずにアクを取りながら煮込んでいく具沢山の味噌汁です。しかし現在は、けんちん汁を味噌で味付けたり肉を入れる場合もあり、豚汁との違いがなくなってきています。具材も両者ともに大根、人参、ごぼうや里芋といった根菜のほか、ネギ、豆腐、キノコ類などほとんど同じものが使われています。