それはマークIIよりも高級で、クラウンよりスポーティだった
1980年4月といえば、筆者はちょうど6歳になった時で、2代目マークIIの4ドアセダンを中古で買った父が、勤め先の管理職にもなって建売とはいえエアコンつき2階建てのマイホームも手に入れ、次はいよいよステイタスシンボルとして新車を買うぞ!と意気込んだ頃。
ヒマを見てはディーラー巡りでもしていたのか、家には次から次へと新車のカタログが積み上がり、幼い筆者などそれを見て漢字を覚え、車名もあらかた覚えていっぱしのクルマ好きを気取っていました。
戦時中生まれで、いかにも保守的な父親らしくカタログのほとんどはトヨタで日産がチョコチョコ、クラウンやマークII、カローラなど改良で新しいカタログが出るたびもらってきたようですが、中でもカローラGTと並んで筆者の心を打ったのが、初代クレスタです。
幼児にとってマークII3兄弟が云々…なんて話は知る由もないのですが、クラウンよりも若々しくスポーティ、マークIIのようにクラウン並の2.8リッター大排気量エンジン(5M-EU)はないものの、はるかに高級に見えたものです。
この「マークII以上クラウン未満」なクレスタ、それも最上級グレードのスーパールーセントがウチの愛車になったらな…と夢見たものの、実際に買ったのはGX61マークIIセダンの「グランデ」なのはちょっとガッカリしましたが、保守的な父親らしい選択でした。
街で初代クレスタを見かけると、ああやっぱりマークIIよりいいな…と思ったもので、同じくらいの年齢、あるいはもうちょっと上の年代で、VIPカーや街道レーサーを好むような人が、初期のGX51クレスタに今でも憧れを抱く気持ちが、筆者にはよくわかります。
それこそ、「三つ子の魂、百まで」というやつでしょうか?
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