最近、船釣りに行って気付くのは、20代と思われる男女や外国人(とくに中国人)の初心者グループが結構増えているなという点です。これは、釣り人の裾野が広がって、とても望ましいことですね。

そんな初心者の方たちは、基本、貸し竿で釣りをしていることが多いのですが、最近はどこの船宿さんでも、乗船前に船長さんや中乗りさんが実際に竿を手に持ち、釣り方のかんたんなレクチャーを行ってくれているので安心ですね。また、安全面にも細心の注意を払っているので、出船前に「救命胴衣の常時着用」、出船時には「船が走行している際は立って移動はしないように」といったアナウンスをしてくれます。
ただ、船上で起こるさまざまなケースを想定した注意喚起などは、なかなか事前に行えません…。

そこで今回は、ポイントに到着して釣り開始後に、初心者の方が「無意識にやってしまっている」行為で、次回からはできるだけ「やらない方がよい」という代表的な行動とその理由、そしてその解消方法についてお伝えしたいと思います。

その1:「オモリぶらぶら」に注意

仕掛を巻き上げたあと、竿を船ベリにある穴(ロッドホルダー)に竿尻を差し込んで、天秤・オモリ(コマセカゴ)や仕掛を宙ぶらりん状態にしているケースをよく見かけます。
当然、波があって船は揺れていますし風がある場合もあるので、天秤・オモリ(コマセカゴ)が大きくぶらぶらと空中遊泳している状態です。これは、なぜダメなのでしょうか?


(1)大きな揺れでオモリが頭、顔、目などを直撃して大ケガをする危険性があります。これは、自分だけでなく隣の方も被害者になってしまう可能性もあります(2)仕掛のハリが、顔や指などの露出部分に刺さってケガをする危険性があります(3)竿が折れてしまう危険性があります

では、どのように対応すればよいでしょうか? ケースに応じて、次のように対処してください。

カゴにエサを入れる・仕掛を替えるなどの場合

①.仕掛を巻き上げた際、竿先から天秤やオモリまでを竿の長さよりも少し長めの状態(※)にし、片方の手で竿を立て、天秤かオモリをもう片方の手でつかみます
※船釣りで使用する道糸(PEライン)は1mごとにマークがあるので、それを目安にすればおおよその長さが分かります②.取り込んだオモリを船ベリの穴部分(もしくはコマセの入ったバケツ)に置きます③.竿尻を釣り座に置いて、竿先を船ベリに立てかけます④.仕掛を絡まないように手繰って、船中に取り込みます魚が釣れた場合①.仕掛を巻き上げた際、竿先から天秤やオモリまでを竿の長さよりも少し長めの状態にし、片方の手で竿を立て、天秤かオモリをもう片方の手でつかみます②.取り込んだオモリを船内に取り込みます。余裕があれば、船ベリの穴部分(もしくはコマセの入ったバケツ)に置きます③.竿尻を釣り座に置いて、竿先を船ベリに立てかけます④.仕掛を手繰って、ゆっくりと魚を船中に取り込みます⑤.すべての魚を取り込み終了したら、手際よくハリを外しましょう⑥.魚が暴れて仕掛が絡まっている場合は、きれいに絡みを解消して、次の仕掛の投入に備えましょう

船が新しいポイントに移動する際は、船ベリにある穴に竿尻を差し込んでもよいのですが、その際、オモリは必ず棚に置き、オモリが飛び跳ねないように注意しましょう。極力、船ベリの穴に竿尻を差し込まない習慣づけが大切です。
また、少し釣りに慣れてきてロッドホルダーを購入すれば、オモリぶらぶら状態は基本発生しませんので、おススメですよ。

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その2:「道糸の流しっぱなし」に注意

仕掛を投入後、オモリが着底してもそのまま巻き上げを開始せず、いつまでもクラッチを切ってスプールをフリーにしているケースもときどき見受けられます。これは、なぜダメなのでしょうか?

クラッチを切ってフリーにしていると道糸が出続けます。これは海中で糸がフケている状態ですので、ほかの方に魚が掛かって巻き上げる際、糸が絡んでしまう可能性があるからです。仕掛同士のオマツリなら、最悪仕掛をカットしてしまえば問題は解消しますが、道糸のオマツリ、さらに周囲の複数の方も巻き込んだオマツリだと大変なことになってしまいます…。
そこで、未然にこのようなオマツリを防止するためにも、仕掛投入時に次の対応を心がけましょう。

(1)スプールに軽く指をあて、軽くブレーキが掛かった状態で落下させることで、なるべく真下に仕掛を落し着底させることができます(2)着底したら速やかに糸を巻き取って底立ちをとり、糸フケが出ないようにしましょう

基本的には上記の2点を守ってもらうだけで、周りを巻き込んだオマツリを未然に防ぐことが可能です。