アカムツは中深場の代表的な釣り物の一つで、近年はルアーターゲットとしても注目を集めている。

アカムツジギングは、スローピッチジャークジギング(以下スロジギ)で水深200m前後を釣ることが多く、取材した新潟県上越市名立漁港の海遊丸が狙っている釣り場も糸魚川の沖合、水深150m前後とアカムツ釣り場としては比較的浅く入門にも最適な場所だ。

 

当地のアカムツジギングは8月にスタートし10月いっぱいまで楽しめる。

とくに9月は産卵に向けて群れが入ってくるため魚影は抜群。

25cm前後を中心に30cm級を交えて、好日にはトップ2ケタも期待できる。

開幕直後の新潟へまずまずの滑り出し

8月上旬、海遊丸から出船。

当日は10名のお客さんが集まり、30分ほどでポイントに到着。

 

狙いは底から3m上まで、200~250gのジグを使うよう船長から指示が出た。

 

最初にアタリをとらえたのは左トモ2番、初挑戦の青木博幸さん。

続いて、左ミヨシの中村賢太さんが25cm級のアカムツを釣り上げる。

 

1シャクリにつきハンドル4分の1回転で底付近をていねいに探り、底上50cm付近でフォールするときに食ってきたという。

 

潮が動き出すと活性が高まったようで、中村さんに再びアタリが到来すると、ほぼ同時に隣の佐々井仁さんにもヒット、2人そろって25cm級を釣り上げる。

 

左舷にアタリが続いたが、次に気を吐いたのは右ミヨシ2番の石崎良さん。

ジグを着底させてハンドル8分の1回転のショートピッチで3回シャクった後のフォールでアタリ。

巻き上げ途中で竿先がたたかれ本命の期待度が高まり、やがて姿を現したのは当日最大の30cm級。

 

タチウオ、ムシガレイ、ホッケを上げていて、なんとしても本命を釣りたいと話していた右ミヨシの長谷川純也さんは、ここまで釣れたアカムツが底付近に集中していたこともあり、底ダチをこまめに取りながら、底から2m上までを重点的に探りヒットさせた。

竿先を海面に向けてゆっくり一定の速度で巻き上げると上がってきたのはやや小ぶりながら本命だった。

 

シーズン初期とあって、当日は乗船者全員に行き渡らなかったものの、潮が動きだすと船中のあちこちでパタパタと釣れるようになった。

 

そんなチャンスをものにするための道具立てと釣り方を紹介しよう。

糸魚川沖のカケ上がりに着くアカムツを狙う

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タックルはシンプルながら専用ロッド&ジグを使う

タックルは、全長2m前後で300gまでのジグに対応したスロジギ専用竿。

リールは道糸PE1.5号が300m以上巻けて、巻き上げ力の強いジギング用両軸リール。

道糸はPE1~1.5号で、着底やアタリなどが分かりやすい伸びが少なく感度のいいスロジギ専用がおすすめ。

先端にFGノットなどの摩擦系ノットで、フロロカーボン20~30lb(6~8号)のリーダーを2m結ぶ。

 

ジグの接続はリーダーをソリッドリングに結ぶ。

釣り場があまり深くないため、ジグの上げ下げによる糸ヨレはそれほど発生しないからスイベルはなくてもOKだ。

 

フックは3/0サイズをフロントとリアに2本ずつ付けるのが基本。

メタルジグの形やサイズにもよるが、200~300gのスロジギ用セミロングを例にした場合、溶接リングとフックをつなぐ糸(ケプラーやPE)の長さは3cmがベスト。

短いと巻き上げ中などに魚が回転したときに口切れしやすく、長いとフロントとリアに付いているアシストフックが絡んだり、リーダーに絡んだりする。

ジグとの接続は強度50lb程度のスプリットリングを使用する。

 

メタルジグはスロジギ専用。

セミロングタイプは細長い形状で抵抗も小さくシャクリや巻き上げも楽に行えるうえ、アカムツの実績も高い。

ほかにティアドロップタイプなどもよく釣れる。

 

重さは200~300g。

重さに幅があるのはフォールスピードを変えて誘うためで、まずは250g前後を使い、ゆっくり沈めてアカムツにじっくりジグを見せたいときは200g、速い動きに反応がいいときは300gを使って素早く沈める。

 

カラーはゴールド系、シルバー系、ゼブラ柄などの実績が高いが、どの色が効くかは状況により変わるため色いろ試してみよう。