暑い季節に海で釣りをしていて、妙な生き物を釣り上げてしまうことがあります。
全身毛むくじゃらでウネウネ動いているのは、毒を持つウミケムシです。
いったいどんな特徴を持っているのか、天敵はいるのか等々、詳しくチェックしてみましょう。
ウミケムシとは
ウミケムシとは、環形動物門ウミケムシ目ウミケムシ科に属している、海の生き物のことです。
体長は10cmほどですが、大きくなると20cmを軽く超えるものもいます。
太平洋やインド洋などに広く分布していて、砂地の海底を好んて生息しています。
昼間は砂から少し顔を出している程度ですが、夜になると活発に動き出す特徴を持っています。
意外と素早く泳ぎ回りながら、小魚やゴカイなどを食べる肉食系です。
ウミケムシの体表には、無数の毒毛が生えています。
むやみに触ると、人の皮膚ならカンタンに刺さります。
刺さった瞬間抜け落ちるので、皮膚に毒毛が残る状態に。
それを指で1本ずつ抜くのは、絶対にやめましょう。
毒が指に移りますし、とても危険です。
皮膚が赤く腫れて炎症を起こし始めますから、水道水による真水で丁寧に洗い流すことをおすすめします。
それでも毒毛が刺さっている状態なら、ガムテープなどの接着面を押し当てて、ペリペリと引き剥がしてください。
そして再度水洗いすれば、毒毛は取り除けるでしょう。
刺された皮膚には、アルコール消毒が効果的です。
それでも傷みが続く場合は、皮膚科などに診療してもらうようにしてください。
泳いでいる様子を観察しても、さほど鋭い毒針には見えないのですが、通常は毛のようにしなやかでも危険を察知すると、鋭利な針のように硬くなるとのこと。
海水浴を楽しんでいるときに、誤って踏んでしまうケースもありますから、砂浜にウミケムシが打ち上げられているような場所で泳ぐのは控えましょう。
実はウミケムシが、泳がせ釣りをしている釣り餌のアジなどに食い付いてくることがあります。
釣り餌にしているゴカイやアオイソメを、しっかり飲み込んでいることも。
そんなときの対処法は、釣り用の便利アイテムであるハリハズシを用いて、フックからきっちり外してください。
地面に落ちたウミケムシはそのまま放置せず、海へ逃がしてしまいましょう。
何故なら、陸上のウミケムシを誤って踏んだり、手で触れたりする人が出てくるからです。
そういう事故は、ウミケムシのことをよく知っているアングラーが、率先して防ぎにかかるようにしたいものです。
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ウミケムシに天敵っているの?
ウミケムシには、天敵がいるのでしょうか。
毒毛でかなり高めの防御機能を誇っているのですが、エビやカニなどの甲殻類にはかなわないようです。
陸地に打ち上げられているウミケムシを発見したとき、飛んできた海鳥に食べられているのも見たことがあります。
毒はだいじょうぶなのかな?と感じましたが、海鳥は吐き出すこともなく飛び去ってしまいました。
これら天敵のおかげで、ウミケムシがどんどん増え続けるケースはないようです。