神奈川県横須賀市にある横須賀美術館で、7月6日~9月4日に開催される「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」の内覧会に行ってきました。

横須賀市は軍港クルーズや無人島の猿島、浦賀ドックや太平洋戦争時に掘られた地下壕などの歴史的な遺構があることでも有名ですが、鎌倉時代に三浦半島を支配していた三浦氏とかかわりのある土地でもあります。

運慶の公房作とみられる仏像が、初めて三浦半島に約50点も集まったということで話題を集めていますので、今回はその作品展の様子と周辺の観光スポットをご紹介します。

目次

運慶って誰?
運慶展のどこが凄いの?
横須賀美術館とは
周辺の見どころ1:走水神社
周辺の見どころ2:観音崎海水浴場と灯台
この夏がラストチャンス!観音崎京急ホテルのランチビュッフェ
最後に

運慶って誰?



<不動明王立像(浄楽寺)>

運慶<うんけい/生年不詳~貞応2年12月11日(1224年1月3日)>は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した仏師で、日本彫刻史上もっとも有名な作家と言われています。

東大寺や興福寺の復興事業に加わり、数多くの仏像を制作しました。その後、鎌倉幕府という新政権と密接に結びつき、北条氏からの信頼を背景に、東国での活躍の場を得ました。

その作品は、豪放な力強さと写実に特色があり、代表的な作品には東大寺南大門の金剛力士像や興福寺北円堂の無著・像世親像などがあります。



<毘沙門天立像(浄楽寺)>



<毘沙門天立像(清雲寺)>



<毘沙門天立像(浄楽寺)>



<不動明王立像及び両脇侍立像(常福寺)>



<聖観音菩薩坐像(無量寺)>

運慶展のどこが凄いの?

金沢文庫の主任学芸員・瀬谷貴之氏によると「過去に東京国立博物館や金沢文庫でも運慶展は開かれているが、横須賀に由縁がある仏像が一堂に会するのは初めて」と言うことです。実際に訪れると、その展示作品群に圧倒されました。

どこどこのお寺、こちらのお寺、あそこの博物館を回らないと見られないものが、ひとところで見ることができる。どこが凄いかというと、それに尽きるのではないでしょうか。



<十二神将立像>



<十二神将立像>

十二像揃った展示は、実に24年ぶりとのことです。

横須賀美術館とは

横須賀美術館は、神奈川県横須賀市の観音崎公園内にあり、横須賀市の市制100周年を記念し2007年4月に開館しました。

横須賀や三浦半島に縁のある作家の作品や、横須賀や三浦半島を題材とした作品、「海」を描いた作品、日本の近現代美術を概観できる作品という基準の絵画・彫刻を中心に、約5,000点の日本の近現代美術の作品を所蔵しています。



<吹き抜けのエントランス>

吹き抜けの展示ギャラリー、塩害を防ぐためにガラスで包まれた外観が特徴で、海を見下ろす屋上広場やイタリアンレストランを併設しています。



<ミュージアムショップ>



<屋上広場>



<レストラン入口>



<レストラン屋外テラス席>

横須賀美術館

住所:横須賀市鴨居4-1
TEL:046-845-1211
観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生・65歳以上 800円、中学生以下 無料
公式サイト:横須賀美術館

【企画展】

内容:開館15周年記念 800年遠忌記念特別展 運慶 鎌倉幕府と三浦一族
開催期間:2022年7月6日(水)〜2022年9月4日(日) ※8月1日(月)は休館

>>運慶 鎌倉幕府と三浦一族展の詳細はこちら

周辺の見どころ1:走水神社

横須賀美術館から海沿いの道路を横浜寄りに800mほど戻ったところに、走水神社(はしりみずじんじゃ)があります。

御祭神である日本武尊とその妃・弟橘媛の伝承が残る神社で二柱を祀っていて、パワースポットとしても人気で多くの参拝者が訪れるそうです。

ところで、「走水(はしりみず)」という名前が格好良かったので由来を調べてみました。

諸説あるものの、日本武尊と弟橘媛の伝説が由来とする説がその一つで、弟橘媛が身を投げたことで、暴風が止み、日本武尊一行は水上を馳せる(走る)かのように上総の国(千葉県)に渡ることができたことから、この水路を「馳水」、転じて「走水」になったそうです。



<手水舎>

深さ30mから湧き出ている真水で、富士山より永い歳月をかけてこの辺一帯に湧き出ていると言い伝えられています。真夏でも冷たいです。

本殿から浦賀水道の風景が広がります。

走水神社

住所:横須賀市走水2-12-5
TEL:046-844-4122
公式サイト:走水神社

周辺の見どころ2:観音崎海水浴場と灯台

走水神社と反対方向に500mほど歩くと、観音崎公園の中心となる観音崎バス停や駐車場のある観音崎海水浴場界隈にたどり着きます。

夏の間は海水浴客で賑わうほか、釣り人やバーベキューを楽しむ人、公園内をジョギングする人など一年を通じて多くの人が訪れています。日本最古の洋式灯台である観音崎灯台は内部も公開されています。



<海岸沿いのボードウォーク>



<観音崎灯台>



<公園マップ>

神奈川県立 観音崎公園

住所:横須賀市鴨居4-1262
TEL:046-843-8316
公式サイト:観音崎公園

この夏がラストチャンス!観音崎京急ホテルのランチビュッフェ

1985年の開業以来、約37年の間多くの人に愛されてきた観音崎京急ホテルは、2022年9月30日に営業終了となります。

ホテルレストラン浜木綿では「永年のご愛顧に感謝を込めて過去にご好評をいただいた懐かしのランチメニュー復活させました!」ということで、この「ファイナルビュッフェ」をいただいてきました。

メニューは、オードブル、サラダ、メインディッシュ、デザートなど20種類以上が90分間食べ放題(ソフトドリンク付き)でした、当日は生憎の天気でしたが海が見えるテーブルで浦賀水道(東京湾)を横切る貨物船を眺めながら優雅なランチのひと時を過ごしました。

左上から、ローストビーフ、なすとトマトのグラタン、豚ひれ肉の一口カツ。中左から、ハモの湯引き(梅肉ソース)、バンバンジー、鯖の棒寿司。下左から、夏野菜の冷たいシチュー、夏野菜サラダと三崎マグロのガーリックステーキ、三崎マグロのめかぶ和え。

丸いお皿はインド風エビカレーとキーマカレーです。



<海が見えるテーブル>

観音崎京急ホテル

住所:横須賀市走水2
TEL:046-841-2200
公式サイト:観音崎京急ホテル

最後に

昨年の秋、横須賀市内にある浦賀ドックや貝山地下壕、千代ケ崎砲台など歴史的遺構を見学してきましたが、今回の訪問を含めて、「横須賀にはまだまだ見どころがたくさんある!」というのが実感です。

>>昨年の記事「見どころ盛りだくさん!横須賀で浦賀ドックや歴史に残る遺構を見てきた」はこちら

都心から日帰り圏内に、これだけの海や山、そして芸術に触れることができるエリアはそうそうないと思います。

また、この夏は、運慶の作品展や閉館前のホテルの催しなど、ぜひ訪れて欲しいと思いました。

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